• テキストサイズ

【ヒロアカ】みんな誰かのヒーローで

第4章 体育祭、それぞれの準備



(個性がうまく使えないからといって。
いつまでも出来損ないの“デク”ではいられない…!!!)





「デクくんのこと、応援してくれる人がいるんだ?」

「ん……へ?う、うん」


心の内で決意していたため、気の抜けた返事になってしまった。


「なら尚更!
自分のこと謙遜しすぎちゃだめだよ!」

「?、どうして?」


アザミちゃんが何を言いたいのか全然わからない。だって僕は謙遜しているのではなく、自分の出来なさを客観的に述べているだけだ。



「だって、自分をリスペクトしてくれる人がいるのに。謙遜しすぎたり卑下したりするのはさ、その人まで下げちゃうことにならない?」

「どうゆうこと?」

「んーっと、なんて言うのかな…
私がさ、“デクくんは強いヒーローになる!”って応援してるのに、本人が“そんなことない、なれないよ”って過小評価するのは。
評価してる私まで下げられちゃうっていうか…」

「えぇえっ?!!
僕そんなこと思ってないよっ!!?」

「わかってる。でも、そうゆう意味にもなっちゃうから気をつけなよって話」

「………そっか。知らず知らずの内に応援してくれる人を、そんな風に言ってしまうことになるのか…」


そんな事、考えたことなかった。
僕を応援してくれる人なんて誰も…アザミちゃん以外、いなかったから。

じゃあ、応援してもらえたら何て返事をしたらいいのだろう?



「そしたらさ!
応援してくれてありがとう、頑張るね!
…で、いいんじゃない?」


ね!と、笑うアザミちゃん。


「私、デクくんのこと大好きだよ!」

「………へっ?!?!」

「泣き虫だけど誰よりも優しくて、努力家で。ちょっと、こう…弟?みたいで。

可愛い幼馴染だと思ってる」

「えっ、あ!そ、そう、なんだ…っ!?」


僕は何を焦っているんだろう…?!
僕たちの関係性なんて、昔から知ってるだろ!?

しかし、頭の中で此等の言葉が木霊する。



“大好き”


心臓が破裂しそうなくらいドクンと脈打ち体中の血液が暴れ、身体が飛び跳ねた。それと同時に“弟”“可愛い”と言われ、ほんの少し胸がちくんと痛んだ。

……僕は今。
心の中で何を期待し、何に落胆した?



「デクくん見てるとね、すっごく応援したくなる!」

「えっ、そ、そうかな…?!」

/ 174ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp