• テキストサイズ

【ヒロアカ】みんな誰かのヒーローで

第1章 《 》の幼馴染



「そ、そんなぁー!」

貸してもらえる宛が外れ、困るアザミ。







「…貸したる」

「え?」

「だから!貸したるっつってんだバカ」

「ホント?!ありがとう〜助かる〜!」

「テメェには……アザミには、貸しがあるかんな」

「へ?そんなのないよ?」

「…身に覚えがなきゃいーわ、シネ!!」


どーせそう思ってんのは俺だけだ
いつも俺だけなんだ

お前は俺のことなんか、世話を焼く弟分にしか思っちゃいねーだろ











『テメェ、雄英受かったんだってな』

『…一応、ね』

『俺も雄英に行く』

『……そっか!頑張ってね!』

『ヒーロー科は何やってんだ。どんな授業してんのか教えろや』

『…私は、経営科だよ?』

『んなこた知っとンだアホ。あと、受かんには何が必要か』

『私のヒーロー科の友達、紹介するよ?』

『テメェに聞いてんだ!!言えやァ!!』

『え、えっとね…っ』









「…ちゃん、……かっちゃん!!」

「あ?」

「私の話聞いてる?」

「ンだよ」

「アレは貸しじゃないよ。私だって教えたくてしてたんだから」


覚えてんじゃねーか!!


「かっちゃんに頼って貰えたの、嬉しかったの」

「…そーかよ」

「かっちゃん。体作りとか個性伸ばしとか、してたよね!

私が…と言うか、私の友達のアドバイス通り頑張ったから背が伸びて、体格も良くなったんだよ!


じゃなきゃ、こんな身体付きになる訳ないもん!」


凄い努力家だよ!と、アザミは俺の頑張りを褒め称える。嬉しくない訳がない、が…


(…ッンな事で、嬉しがれるか!!)

俺は至極当然何事でもない風に装おる。


「だからさ!実現したのが嬉しくて!」

「はぁ?何が」

「かっちゃんが中学生の時に約束したじゃん!『一緒に雄英高校の学食を食べよう』って!」


ぽんっ

アザミは背伸びしながら腕を伸ばし、自分より高い所にある俺の頭を撫でた。


「んな…ッ何しやがる!!」

「よく、頑張ったね…!」





目を細めて嬉しそうに笑うアザミに、目を奪われてしまった。






/ 174ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp