第6章 寝不足の罠
「やっ、あっ、また、イッちゃ……ッッ……!」
息を整える間も与えてくれなくて、肩でゼェゼェと息をする。
気持ち良すぎて頭がおかしくなってしまいそうだ。
自分の意志とは関係なく目からポロポロと涙が溢れる。
「はっ……その顔煽ってるだけだぞ」
「〜〜、やだ、やだ阿近、止まって」
「無理だ」
「あっ、や、もうイキたくな……っ、はぁっ……」
私がなんとか言葉を話そうとしている間もお構い無しに動き続ける。
「イキたくないなら、我慢するしかねぇよな。
まぁ我慢させる気は限りなくゼロに等しいが」
「っ、阿近の意地悪っ」
「今更だろ。
それに知ってるか?
女の身体ってのは快感を感じれば感じる程、子宮が下がって来んだよ」
「?」
「つまり、生き物としての生存本能が強く働くってことだ。
子孫を残そうと身体が本能的に遺伝子を取り込もうとする訳だ」
だから押し込まなくても千早のイイトコロに当たる、と笑う。
阿近自身の先端がコツコツと子宮口をノックする。
「本当ならもっとヨクなる場所があるんだが、今の千早には刺激が強過ぎるから今日はやらないでいてやる。
あと少し頑張れるか?」
動きを止めて、心なしか少しゆっくり話してくれる。
そんな阿近の言葉にコクコクと首を縦に振って返事をする。
額に滲む汗が、阿近も気持ち良くなってくれているのだと感じることが出来て嬉しくなる。
もっと気持ち良くなって欲しい。
「座ってんの辛ぇか?」
「ううん、平気だよ」
「なら良いが、無理はするなよ」
「ふふ、阿近が優しい」
さっきまでとのギャップが可愛くて髪を撫でると、余裕そうだなと笑われた。
その顔は酷く楽しそうで、また良からぬことを考えているのではないかと疑ってしまう程だ。
「抱き潰すからトぶなよ」
そう囁くと、キスをしながら思いきり腰を突き上げ始めた。
「んんっ、ふっ、うっ……」
「鼻で呼吸しねぇと酸欠になるぞ」
口を塞がれてしまっていては息が出来ない。
苦しくて、でも気持ち良くて、自分が分からない。
私の身体変だ。
苦しいのが気持ち良いなんて、どうかしてるに決まってる。