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【BLEACH】闇夜に咲く花

第14章 また寝てねぇだろ。


「千早明日仕事か?」
「ううん、明日は休みなの」
「奇遇だな、俺も休みだ。どこか出掛けるか?」
「良いの?」
「ダメなら聞かねぇ」
「行きたい!」
「どこか行きたい場所あるか?」



阿近の質問に一瞬言葉が詰まる。
行きたい場所はある。でもきっと阿近が苦手な場所だろう。
私だけが楽しんでも意味が無い。
阿近も一緒に楽しめる場所を選ばないと。



「おい、また遠慮してんだろ」
「いたっ」
「俺に気を遣うな。お前の行きたい場所を聞いてんだから素直に答えろ」



指先で額を弾かれ、ジンジンと痛みが走る。
地味に痛い……。



「あのね……甘味処に、行きたいの……」



私の記憶だと確か阿近は甘いものがあまり好きじゃなかった筈。
好きじゃないものに付き合わせるのも申し訳なくて、段々と語尾が小さくなっていく。
それに甘味処って確か男の人は入りにくいと聞いたことがある。
二重で阿近に苦労させてしまう。



「はぁ?」
「ご、ごめんなさい。やっぱり嫌だよね、違う場所考えるから!」
「そんなこと遠慮してんのかよ、本当阿呆」
「ふぎゃ……!」



鼻を摘まれて、変な声が出た。
息苦しいし、それに何より力が強い!
絶対に鼻赤くなっちゃうやつ!



「ふぎゃって……猫みてぇ。
俺は千早と行く場所ならどこでも良い、嫌じゃねぇから変な気を回すな。
むしろその方が嫌だ」
「でも阿近あんまり甘いもの好きじゃない、でしょ?」
「まぁな。でもそれ以外を食や良い話だろ。
で、どこの甘味処行きたいんだ?」



ようやく離された鼻。
阿近がニヤニヤと笑っているから、きっと赤くなっちゃっているのだろう。



「あのね、噂で聞いただけで全然詳しくは知らないんだけど、現世のお菓子が楽しめる場所があるらしいの」
「そういやそんな場所あったな」
「知ってるの!?」
「前に壺府が話してたのを聞いた。
なら明日はそこへ行くか?場所は俺が聞いておいてやるよ」
「ほんと!?ありがとう!楽しみ!」



この前京楽さんに貰ったしょーとけーきと言う現世のお菓子が美味しくて、もっと現世の物を食べてみたくなった。
尸魂界にはない甘さや食感のお菓子が多いと聞く。
凄く楽しみだ、と年甲斐もなく阿近の脚の上ではしゃいでしまう。
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