第6章 寝不足の罠

｢ふっ……濡れてる。尻まで垂れてるな｣
｢やっ、言わないで｣
｢これなら慣らさなくてもすぐに入っちまいそうだが……｣



どちらともなく唇を重ね、貪り合う。
阿近とのキスは気持ちが良い。
何も考えられない程に頭がボーッとする。



｢んんっ、や、音やだっ｣
｢五月蝿ぇ、こっちに集中しろ｣
｢んんんっ……｣



阿近が蜜口に指を這わせ、わざとクチクチという水音を鳴らす。
キスをしていても聞こえて来るその音に耳を塞ぎたくなる衝動に駆られた。
でもそんな行動を阿近が許してくれる筈もなく。



｢腕、首に回しとけ。楽になるぞ｣
｢ひぁっ、んんっ、んっ……｣



花芯を指の腹で優しく撫でられて、気持ち良さに腰が揺れてしまう。
恥ずかしくて阿近の首筋に顔を埋めると、くぐもった声が漏れた。
直接脳を刺激するような快感に膝がガクガクと震える。



｢1回イッとくか？｣
｢っ、や！｣
｢じゃあ我慢しろ｣



指が一気に2本挿入され、異物感に背中を伸ばした。
その指は入口の浅い所を執拗に撫でる。
グチュグチュと先程までよりも大きくなった水音は、顔から火が出そうな程恥ずかしい。



｢ふぁっ、あっ、そこやだ、やだやだ｣
｢やだじゃなくて気持ち良いだろ。すげー溢れて来るぞ｣
｢っ、いやっ、阿近、やぁっ、だめ｣
｢素直になれよ｣
｢やっ、やだやだやだ、来ちゃ、やぁ、来ちゃうっ……！｣
｢っ……｣



抗うことの出来ない快感に襲われ、頭の中が真っ白になった。
自分がどこかに行ってしまうようで怖くて、夢中で阿近にしがみついている内に、目の前にあった首筋に歯を立ててしまったようで阿近が小さく声を漏らす。
呼吸の整わない虚ろな目で阿近の顔を覗き込めば、上等だとなぜか笑われた。



｢あんまり男を煽ると痛い目見るぞ｣



阿近の言ってる意味が分からなくて首を傾げていると、再び唇が重なり、それを合図にピタリと蜜口に熱いソレが宛てがわれた。
あまりの熱さに腰を引きそうになるけど、阿近がそれを許さない。
腰を押さえつけ、逃げられないようにされる。



｢自分で挿れられるだろ？｣


ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながら私の顔を見上げている。
阿近に見上げられるのが新鮮でドキドキしたけど、それとこれとは別！