第6章 寝不足の罠
「じゃ、じゃあ俺もう必要なさそうなんで退散します!」
「おう。帰れ帰れ」
「ちょっと阿近!ごめんなさい、檜佐木副隊長。
ありがとうございました!」
慌てて去って行く檜佐木副隊長の背中に声を掛ける。
「さて、邪魔者も居なくなったことだし仕切り直しといくか」
「へ?」
「千早、好きだ」
診察台の上に押し倒され、唇が触れそうな程に近い距離で言われる。
息が掛かって恥ずかしい。
「っ、わ、私も好き……デス」
「ふっ、なんでカタコトなんだよ。この前の方が上手く言えてたぞ」
「阿近の意地悪!」
「今に知ったことじゃねぇだろ」
「……そうだけど」
「付き合うか?」
「良いの?こんな歳上でも」
「それ以上言ったら犯すって言ったよな」
「ご、ごめんなさい。よろしくお願いします」
顔が熱くて阿近の顔をまともに見れない。
「千早、このあとの予定は?」
「午後も書類仕事かな。
今日から十四番隊の本格始動の日だから、何かと忙しくなると思う」
「座り仕事だよな?」
「え?うん」
「なら構わねぇよな」
死覇装の合わせ目から阿近の手が入り込み、胸を撫でる。
阿近のひんやりとした手に身体が震えた。
「っ、ここ研究室!」
「この前お預け食らってんだよ……」
「だってそれは」
「2人きりの部屋に好きな女が無防備に寝てたら抱きたくなるだろ」
「……言葉が足りないのよ、馬鹿」
「馬鹿はどっちだ。人の気も知らねぇで呑気に寝やがって」
あっという間に死覇装をはだけさせられ、外気に晒された小さな胸に舌を這わせる。
肌を這うヌルリとした感覚に背中が浮く。
「やっ、そこあんまり大きくないから……触らないで」
「別に大きけりゃ良いってもんじゃねぇだろ」
掌で包み、優しく揉まれるとなんとも言えない気持ちになる。
私の大きさではそんなに揉みごたえがある訳じゃないだろう。
精々少し柔らかい程度だ。
「ひゃっ、だ、だって」
「だってじゃねぇ。じゃあお前は俺のことをコレの大きさで判断してんのか?」
ゴリ……と腰に当てられる固くて大きいソレ。
阿近自身だろう。
「そ、そんなことない!阿近だから好きなんだもん」
「それと同じだ。阿呆」
優しく口元にキスをされ、目を瞑る。