第6章 寝不足の罠
「人の気も知らねぇで煽りやがって」
「ご、ごめんなさい」
「それとも俺のこと餓鬼だと思って舐めてんの?」
「ちがっ……」
「どっちにしろ我慢の限界だわ。大人しくしてろ」
帯紐に手を掛けられ、止める間もなく脱がされる。
あっという間に下着まで脱がされると、脚を開かされた。
その脚の間を阿近が食い入るように見つめているのが分かり、身体が熱くなる。
恥ずかしい。
「ひゃあっ……」
指でその周りを引っ張ると、剥き出しになった花芯を舌で舐めた。
唾液で濡らした舌はヌルヌルしていて気持ち良い。
尖らせた舌の先端で中心を執拗に舐められ、腰が浮くのを止められない。
「ひっ、やだ、阿近、止まって」
「誰が聞くか」
ピチュピチュと聞こえて来る水音に耳を塞ぎたくても、固定されている腕ではどうすることも出来ない。
恥ずかしくて恥ずかしくて、死んでしまいそうだ。
引いてしまう腰を押さえつけられ、逃げられなくなったところで更に責められる。
「ひゃっ、あっ、あこ、ごめんなさ……」
ビリビリと痺れるような快感が怖くて涙が滲んで来る。
傍に居る筈なのに、阿近の顔が見えなくて怖い。不安になる。
「あっ、やぁ、ごめなさ……ゆるして」
「何に対する謝罪だ」
目の前がチカチカして果てが近いことを悟る。
怖いのに気持ち良くて自分のことが分からなくなる。
阿近はなんで怒ってるの?
私の何がいけなかったの?何がそんなに怒らせてしまったの?
「阿近と、一緒に居たかったの。あっ……研究の邪魔して、ごめんなさい。
すぐに帰るから許して」
好きでもない人が長時間部屋に居るのって苦痛だったよね。
怒られても無理はない。
阿近は優しいから無理矢理追い出すことはしないだろうし。
その優しさに甘えて図々し過ぎたんだ。
ボロボロと涙が溢れて止まらない。
みっともない、良い歳した大人が場所を考えずに泣きじゃくるなんて。
軋むような胸の痛みと比例して涙が次から次へと溢れ出る。
「ごめんなさい。阿近が好きなの。だから一緒に居たかったの」
「は?」
「こんな歳上に好かれても迷惑だろうから言う気はなかったの。
もう研究の邪魔しないから許してください」
そう話すと阿近の動きが止まった。