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【BLEACH】闇夜に咲く花

第3章 呑んで、呑まれて、食べられて


「阿近、あったかいね」
「そりゃ生きてるし飲んでるからな。お前の方が熱ぃけど」


引かれている腕に身体をくっつけ、温かさに目を細める。


「阿近」
「ん?」
「お金、良かったの?あとで返すよ。阿近そんなに飲んでないじゃない」
「別に良い」
「でも……」


良いと言われて大人しく引ける程、安い金額でもない。
凄く申し訳ない。
何か受け取ってくれる方法はないかと考えていると、たまたま私の方を向いた阿近と目が合った。
その顔はニヤリと口角を上げていて、とても楽しそうだ。
まるで何か悪巧みを考えている子供のよう。



「……んなに気にすんなら身体で払えよ」
「阿近ってやっぱり変態……?」
「阿呆」
「酷い……」
「普段は全然そんなことねぇんだよ。
でもなんか千早と居るとムラムラする」
「研究ばかりでご無沙汰だったから……とか?」


自分で言ってて恥ずかしくなる。


「照れるな、勃つ」
「もう……!」


居酒屋からの帰り道、ふと奥に生える木々に目をやった。


「あの人……」


蹲り、苦しそうに顔を歪める人が居た。
あんな場所でしゃがみ込んでいるなんて何かあったに違いない。
阿近の腕を離し、近寄る。


「大丈夫ですか?」
「ったく……お人好しが」


呆れたように言うものの、あとを着いて来てくれる阿近。


「すみません、ちょっと転んでしまって足が……」


そう話す女の人の足には血が滲んでいた。


「部屋まで送りますよ。歩けますか?」
「ちょっと……」


悲しそうな顔をする。


「背中、乗ってください」


地面に膝をつき、背を向ける。


「でも……」
「大丈夫ですから」
「ありがとうございます」
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