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【BLEACH】闇夜に咲く花

第3章 呑んで、呑まれて、食べられて


阿近の隣に私。
向かいには檜佐木副隊長、松本副隊長、阿散井副隊長。
錚々たる面々の登場に居酒屋内の周りの席が遠慮し始めた。
見渡す限り隊長格は居なさそうだ。
確かに昔から皆騒がれるのを嫌うので、個室で飲むことが多かった気がする。


「さ、パーッと呑みましょ!」


それぞれ卓に届いたお酒を手に持ち、乾杯する。
乾杯の音頭を取るのはやはり松本副隊長だった。


「んーっ、やっぱり仕事後のお酒は格別ね〜。生き返るわぁ。
ここのところ毎日書類仕事が続いてて肩凝っちゃう」
「そりゃしょうがないっすよ、今は割りと閑散期っすもん。
俺も机に向かい過ぎて肩が痛ぇっすもん」
「お前は普段からやらないからだろ、阿散井」
「えー、それあたしにも言ってる?修兵?」
「い、いえ!」


松本副隊長達が話に花を咲かせる中、私は1人で少しずつお酒を口に運ぶ。


「酒、苦手か?」
「お酒自体は好きなんだけど、発泡酒はあんまり飲み慣れてなくて……」


最初は皆同じ発泡酒。
次からそれぞれ違うものを頼むのだ。


「別に無理して飲まなくても良いぞ。俺が代わるから他のやつ頼むか?」
「良いの?」
「あぁ」


発泡酒を阿近に渡し、私は別のお酒を注文する。


「あらやだ、間接キス!」


「「ぶっ……!」」


松本副隊長の言葉に副隊長2人がお酒を吹き出す。


「汚ねぇな……ちゃんと拭いとけよ。
別にそれぐらいどうってことねぇだろうが」
「ああ阿近さんって潔癖じゃなかったんですか!?」
「五月蝿ぇ、修。俺は別に潔癖じゃねぇ。単に綺麗好きなだけだ」
「嘘だ……」
「嘘じゃねぇよ」


一方の私は特に話題を気にすることなく、届いた果実酒を呑む。
ふわりと香る果物の風味に口元を綻ばせた。
小さく入っている果肉も美味しい。


「美味いか?」
「ええ」


ニコッと笑えば、松本副隊長が声を上げた。
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