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【BLEACH】闇夜に咲く花

第1章 引退、そして始まり


「お久しぶりです、総隊長。
私になんの御用でしょうか」


門番や隊士の目をくぐり抜け、なんとか誰にも会わずに目的の一番隊の隊首室まで辿り着けた。
一番隊は他の隊よりも古株の方々が多く、鉢合わせると何かと面倒そうだ。


「来たか。
まぁ、そう警戒するでない」


これが警戒せずに居られる訳がない。
急遽掛かった緊急招集、それも引退してからしばらく時間が経ったあと。
おまけに瀞霊廷内の建物はめちゃくちゃ、飛び散る血痕、傷だらけの隊士。
何かあったことに変わりはない。


「話は長くなるが、実はの……」



*****



「え……」


総隊長が今まであった出来事を掻い摘んで説明してくれた。
驚き過ぎて言葉が出ない。
喜助くんや夜一さんが尸魂界を追放されていたことも驚いたが、何よりここ数日で起きた事件に驚いた。
人間の死神代行に、旅渦騒動、そして何より隊長3名の離反。



「現在も隊長格が床に伏す状況じゃ。
そこで、お主に頼みがある」
「私に何が出来ると……」
「護廷十三隊に戻って来てはくれまいか」
「はい……?」



「1度で聞け、昔から察する能力は高かったじゃろ。
護廷十三隊に隊長として戻って来いと言うておる」
「しかし総隊長、私は左目を……!」



片目が見えない隊長など、戦闘面では足でまといにしかならない。



「話はまだ終わってはおらん。
現代の技術はかなり進歩した。
浦原喜助が技術開発局を作り、義眼というものも存在する。
偽物の目じゃが、神経と繋ぎ合わせれば視力も戻ると聞く。
どうじゃ、それならば不安はないじゃろう」


「でも私は既に実践から遠のいた身で今更……」
「つべこべ煩い奴じゃのう。
これは命令じゃ、良いな。
このあと技術開発局に伺い、義眼を作って貰うんじゃ。
話は通しておく。
そのあとは十一番隊の隊舎に行くが良い。
更木も居るしちょうど良い練習相手になるじゃろう。
義眼も出来、勘を取り戻せたなら再び儂のところへ来い。
そうしたら任官式じゃ。
意義は認めぬ、良いな」


「……はい」
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