第2章 初めまして、久しぶり
「あぁ、なるほど」
「阿近、お風呂ありがとう」
用意されていた検査着に着替え、阿近にお礼を言う。
影になって見えないけど誰か来客中らしい。
やっぱり阿近は忙しいんだな。
「ちったぁ良くなったか?」
「うん、少しは」
「そうか。でも原因は究明する、診察台に横になれ」
阿近に言われるがまま、診察台に向かう。
と、阿近の影になっていた男の人の姿がハッキリと見えた。
あ、この人……隊首会で見た気がする。
「あ、檜佐木副隊長。
先程挨拶に伺ったんですが、十四番隊の……」
「おい、今は仕事を忘れろ」
阿近に強制的に診察台に寝かせられる。
まだ挨拶の途中だったのに……!
「えっ、神咲隊長……!?
阿近さん、神咲隊長も義眼だったのか!?」
「あぁ」
知らなかった……と心底驚いた様子。
体温や脈拍を測り、義眼の様子も見る。
「……一旦取り出すしかねぇか」
「え……?」
その言葉に肩が震える。
「痛いの嫌……」
「仕方ねぇだろうが。あと泣くな、勃つだろ」
「阿近のえっち……!もしかしなくても変態!?」
「はいはい。おい、修。
ボサっと見てねぇでついでに手伝え。
千早の手を固定しろ」
私の上に馬乗りになる阿近。
「え、でも……」
「良いから、やれ」
「……はい、すんません……!」
謝りながら私の手を押さえつけた。
力を入れてもビクともしない。
いくら私が隊長と言えども、弱っている時では本来の力が出ない。
分かってはいたけど男の人の力って凄く強い。
「や、痛いのは……」
「取らなきゃもっと痛ぇぞ。今ならまだ優しくしてやる」
真剣な阿近に折れ、心を決めた。
「ッい……たぃ……!」
義眼が取り出される時の痛みは、入れた時以上だ。