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【BLEACH】闇夜に咲く花

第2章 初めまして、久しぶり


次は九番隊に向かう。
九番隊にも同じような説明をしたけど、生憎と副隊長は非番だった。
隊首会の時だけは呼び出されたようだけど。
また後日挨拶しに来よう、と踵を返した。


「ッッ……」


不意にズキズキと左目の奥が傷む。
何これ……副作用……?
こんなに時間が経ってから来るものなの?



「はッ……っ……」



痛みが強くなり、目眩がする。
視界がグルグルと歪み、目の前が真っ白になり何も見えない。
あとは三番隊と十番隊に行きたいんだけど……これでは流石に無理そうだ。
仕事を続けるのを諦め、誰とも会わないように気配を気にしながら技術開発局へ急ぐ。




*****




「阿近、居る……?」
「あぁ。どうした?」


扉の前で小さく中に呼びかければ、阿近が扉を開けてくれた。
その気遣いが今は有難い。
辛うじて立ってはいるけど、壁に寄りかからないとバランスを取れない。
手や足に力が入らない。


「お前、顔色悪いぞ」
「ごめん……もう、限界……」


下肢の力が抜け、床目掛けて崩れ落ちる私を阿近が難なく抱きとめる。


「おい……!」


阿近に身体を預けたまま、私の身体はピクリとも動かない。
力が入らない、言葉が思うように出ない。
呼吸をするので精一杯だ。
膝裏に手を回し持ち上げると、診察台に寝かせる阿近。


「体温が低いな……おい、大丈夫か?話せるか?」
「っ……きもち、わる……い」


目の前がグルグル回る。
胃液が咽び上がって来るのを感じる。
診察台に寝ていた私をお手洗いまで連れて来ると、阿近が背中を撫でた。



「吐け。
俺のことは気にするな、一旦吐いた方が楽になる」



吐きたくても吐けない。
その旨を伝えれば、文句言うなよと舌打ちをした。


「っ、ぇ……ッッ……」



阿近の指が口に入り、動き回り、嘔吐を促す。



「これで少しは楽になるだろ。吐いた分だけ水分取れよ。
……と、死覇装が汚れたな。
副作用のことも調べてぇ、が、今はとりあえず風呂入って来い」


動けるか、と問う阿近に頷き、浴室までゆっくりと歩いて行く。
吐き出した分少しは良くなったみたいだ。
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