第14章 また寝てねぇだろ。
一応脅しときゃ、そう簡単には言わねぇだろ。
あとは松本と斑目、綾瀬川にも言っておかねぇと。
何かあった時1番辛い思いをすんのは千早だからな。
あいつのことだから、きっとまた1人で抱え込むに決まってるし。
「お前も遊びは程々にしとけよ」
「そんなに遊んでないですってば!」
一応副隊長としての自覚のある修は、身近なところや身バレしそうなところでは絶対に遊ばない。
スーパーで適当に材料を見繕って部屋に帰る。
「千早?」
ただいまと声を掛けても返事がないのを不思議に思い、千早の霊圧のする方へ歩いていく。
俺の布団を頭まで掛けながらスヤスヤと小さく穏やかな寝息を立てている。
普段1人じゃ熟睡出来ねぇ癖に、声掛けても起きねぇとか確信犯だろ。
千早の髪を軽く撫でると台所へ向かい、夕飯を作り始めた。
正直何が好きとか嫌いとかよく知らねぇけど。
*****
「千早」
「んー……あこん?」
「珍しくよく寝てたな」
「ん。阿近の匂いいっぱいしたから」
「はっ、そうかよ。メシ出来てるけど食うか?」
「食べる!」
「正直千早以上の味は期待するな」
そう笑う阿近に案内されて食卓につく。
机には2人分のカレーとサラダが用意されている。
それを向かい合って食べ、食器を洗っている間に阿近にお風呂に入って貰った。
ご飯を食べている間は不思議なぐらいまったりした空気が流れていて、幸せだなぁと感じさせられる。
「風呂、次良いぞ。中にあるもんは自由に使えよ」
「うん、ありがとう」
タオルでガシガシと髪を拭きながら、上半身裸のまま歩いて来る阿近に内心少しドキドキしつつも平静を装って頷く。
実は私よりも白いんじゃないか疑いたくなるような肌は、滑らかで、程良く筋肉がついている。
「おい。見過ぎだ、変態」
「なっ、ちが!あ、でも見てたのは本当……です」
「ふっ……なんの告白だよ」
「なんでもないの!お風呂借りるね」
「おう」