• テキストサイズ

【BLEACH】闇夜に咲く花

第14章 また寝てねぇだろ。


「千早メシ食ったか?」
「ううん、まだ」
「何か食いてぇもんあるか?」
「阿近が作ってくれるの?」
「そうは言ってねぇだろ」



台所近くの引き出しから錠剤2錠とコップに入った水を持って来てくれる。



「飲め」
「うん、ありがとう。ご飯何か作る?」
「あんま帰って来てねぇから食材の買い置きとかほとんどねぇぞ」
「あ、そっか。外に……はごめん、ダメだった」
「……その件なら局長から聞いてる」
「へ?」



予想していなかった阿近の言葉に薬を飲もうとした手が止まる。
そしてそれを見つけた阿近が良いから飲め、と顎で促した。
水を口に含み、錠剤を飲み込む。
小さくて味は全然しないから飲むのに苦ではなかった。
私が薬を飲み終えるのを見て、阿近が再び口を開く。



「千早が来る少し前にな、局長から電話があったんだよ。
あの人から電話なんて滅多にねぇし、まぁ愚痴の電話だったんだけど。
隊長格の恋愛が禁止になったんだろ?」
「……うん」
「千早のことだから俺と別れるとか言うかと思ったが……相当俺のこと好きなんだな」
「うん、好き。
凄く悩んだんだけど私は阿近と別れたくなかったから、規則破っちゃった」



本当は隊長として他の隊員達の手本とならなければいけないのだけど、自分の気持ちに嘘はつけなかった。
誰からなんと言われても阿近が好き。
その事実は変わらない。



「はっ……千早からそんなこと聞けると思わなかったわ。上等。
あいつらには俺が口止めしておいてやるよ、そもそも口を滑らせたのは修だからな」



口止めする材料ぐらいは持ってる、と笑う。
煙草の煙とも相まって凄く悪い顔に見えたのは私だけの秘密。



「で、メシどうする?」
「私何か外で材料買って来るよ、何か食べたいものある?」
「たまには千早の食いたいもんで良い」
「分かった」
「買い物は俺が行く。
千早がこの部屋入んの見られたら面倒そうだしな」
「あ、そっか」



着流しを気直し、煙草の火を消す阿近。
ちゃんと着てしまえば首筋の噛み痕が見えることは無い。
ホッとしたような、残念なような。
なんだか複雑な心情になる。
/ 200ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp