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【BLEACH】闇夜に咲く花

第14章 また寝てねぇだろ。


「……承知しました」
「千早ちゃん!」
「今後の対策の為にも詳しいことを知りたいので後程詳細を教えて頂けますか?」
「もちろんじゃ。涅、卯ノ花の処遇についても追って連絡しよう。
話は以上、解散!」



隊首室を出ると京楽さんが心配そうに顔を覗き込んで来た。




「大丈夫?ってそんな訳ないよね、ごめんね」
「京楽さんが謝ることじゃ……いつかはこういう日が来るとは分かってたから」
「全く……あの馬鹿のせいでとんだ無駄な時間を過ごしたヨ。
よりによってまた面倒なことをしてくれたものだネ」



隠すことなく大きな溜め息を吐いた涅隊長は、足早に自分の隊舎の方向へ歩いて行った。



「千早ちゃん、僕の部屋に今回のことの調査資料あるから見て行く?」
「うん、見る。出来れば早く詳細知りたいし」
「は〜い。
あ、七緒ちゃんは定時に上げちゃったから気にしなくて良いからね」



何を、とは敢えて聞かなかった。
きっと京楽さんは何もかもお見通しでそう声を掛けてくれたのだろう。
私の落ち込んだ気分とか、今考えていることとか。





*****




「楽に座ってて。今お茶煎れるから」
「ありがとう」
「千早ちゃん甘いもの食べれたよね?
これ、頂き物なんだけど僕食べないからあげるよ」



お茶の湯呑みと一緒に置かれたのは、黄色いスポンジ生地が白くてふわふわなクリームで包まれ、その上に苺の乗った食べ物。
現世の食べ物だろうか。
見た目も可愛くて凄く甘い匂いがする。
これは一体なんていう名前の食べ物だろうか。



「京楽さん、これは?」
「あ、見たことない?
現世のデザートなんだけど、ショートケーキって言うの」
「しょーと……けーき?」
「卵や小麦粉で作った柔らかいスポンジ生地を、砂糖と卵白で泡立てたホイップクリームで塗ったもの。
その上に甘酸っぱい苺を乗せたケーキのことなの。
松本ちゃんが現世任務のお土産でくれたんだ」



傍に用意されていたフォークで小さく1口分生地を取り、恐る恐る口に運んだ。
ふんわりと香る卵の香りと、クリームの程良い甘さが口の中に広がり、心が暖かくなる。
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