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【BLEACH】闇夜に咲く花

第14章 また寝てねぇだろ。


吉良副隊長からの書類を受け取り、執務を再開させた。
また暫くは休みなしかなぁ。
小さく溜め息を吐くと筆を握った。
なんとか今日中に大きなところは片付けておきたいな。



「やってるか?」
「阿近。お疲れ様。どうしたの?」
「書類届けにな」
「珍しいね、お茶飲む?煎れよっか?」
「任務明けで書類が溜まってんだよ、千早もだろ?」
「うん、まぁ」
「茶は良い、珈琲あるか?」
「こーひー?」



聞き慣れない単語に首を傾げると、阿近は小さく笑った。
その表情は少し疲れが見える。



「現世の飲み物だ。
豆を焙煎して挽いた粉末から、湯または水で成分を抽出した飲料。
珈琲に含まれるカフェインは神経や筋肉を刺激する作用があり、肉体の疲労を回復させる効果がある」
「美味しいの?」
「……千早にはまだ早ぇかもな」
「なにそれ!」



残念ながら現世の飲み物の用意はなく、いつもと同じお茶を煎れた。



「阿近って現世の飲み物飲むんだね、なんか意外かも」
「局長がよく現世の変わったモン仕入れて来んだよ、普段はあんまり興味はねぇが珈琲は成分が気になってな」
「神経や筋肉を刺激する作用があるってことは、つまり眠気を払う作用があるってことで良いのよね?」
「流石だな、その通りだ」



氷の入った湯呑みをゆっくりと傾けながら頷く阿近。
この時期からは熱いものよりも冷たいものが飲みたくなる季節だ。



「で?千早の仕事はあとどれぐらい残ってるんだ?」
「私の?えっとね、その山とその山、あとは奥のそこと……」



いくつかの箇所にに分けて置かれている書類をそれぞれ指差す。
重要度や内容に応じて置き場所を変えてあり、すぐにどこに何関連の書類があるのかを分かりやすくしている。



「まだ大分あんな」
「うん、まぁね。
でも至急の書類とか重要度の高い書類は今日回って来た分しかないから、結構片付いた方よ」
「そうか。今夜仕事片付いたら部屋来るか?」
「部屋?阿近の?」
「他にどこがある」
「行く!でも何時に行けるか分からないよ……?」



このまま何事もなく進んでくれればそんなに大幅な残業はないだろう。
しかし何が起こるか分からないのが隊長職だ。
定時で上がれる保証もなければ、確実に今日帰れるという保証もない。
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