第13章 調査終了
「織羽、私が任務の間連勤続きでしょう?」
「まぁ、副隊長ですから」
「今日はその書類仕上げたらもう上がっても良いよ」
「えっ、でもまだ書類が……」
「大丈夫よ、任せて。
今日はそれ仕上げたら上がり。それから明日は公休ね」
「はい!これ終わらせて書類届けたら上がります!」
「うん、お願い」
ゲッソリと疲れた顔をしている織羽を早上がりさせる。
私が任務続きで隊を離れる時が多いということは、隊長代理である副隊長も休めないということだ。
京楽さんや浮竹さんがフォローしてくれているとは言え、復帰早々かなりの負担を掛けただろう。
無理は禁物だ、ゆっくり休んで欲しい。
「頑張ろ……」
織羽を帰したあと、1人になった執務室に漏れた小さな声。
誰に言うでもなく自分に言い聞かせるように言った言葉。
机の上に高く積まれた書類を優先順に並び替え、深く息を吐いた。
左上に赤字で至急と書かれた書類が大量に出て来た。
回って来た日付は今日だから今からやればなんとかなるかな。
*****
その後小休憩を挟みつつも至急の書類はなんとか片付けることが出来た。
あとはこれを総隊長に提出して、もう少しだけ溜まった書類を片付けたら私も上がろうかな。
なんだかんだ言いつつも任務続きでやはり身体は疲れている。
目はしょぼしょぼするし肩や腰は痛い。
適度な休憩も大事だけど適度な休日も大事だなと認識させられた。
「やっほー、ちぃちゃん〜」
「草鹿副隊長お疲れ様です。どうかしました?」
ノックもなく戸が開かれ、片手を挙げた草鹿副隊長が入って来た。
1人なのかな。
いつも更木さんと一緒に居るイメージがあったんだけど。
「もー、やちるで良いよ、ちぃちゃん!」
「やちるちゃん……やちるさんの方がしっくり来るかも。
更木さんは一緒じゃないんですか?」
「うん。剣ちゃんのおつかいなの」
「おつかい?」
「千早呼んで来いって言われたから〜、あたしが連れて行くの!」
更木さんが私に用事なんて一体なんだろうか。
今回の任務のことかな。
いや、でもそれはもう臨時隊首会で話しているし、そもそも1番携わった2人が居るから敢えて私から聞くこともないだろう。