第13章 調査終了
翌朝目が覚めると頭がめちゃくちゃに痛かった。
そして凄く胃が気持ち悪い。
昨日何かしたかな。
よく思い出せず痛い頭を庇うように布団に潜り直すと、部屋の戸が開いた。
「起きたか?」
「……あこん、おはよう」
「その様子じゃ二日酔いみてぇだな」
「うん……凄く頭が痛い」
トンカチで殴られているような、頭の中からガンガンと鋭い痛みが走っている。
そして胃もムカムカと気持ち悪い。
昨日そんなに沢山のお酒を飲んでしまったのかな。
どうしよう、全然思い出せない。
何か変なことしちゃってなければ良いんだけど……。
「待ってろ、水持って来てやる」
二日酔いなんてなんだか久しぶりの感覚だ。
久しぶりの二日酔いは物凄くしんどくて、お酒は程々にしようと心に誓った。
こんなんじゃ仕事が出来ない。
「おら、水。それと薬」
「ありがとう」
阿近の持って来てくれたお水と薬を飲み、再び布団に横になる。
今日は尸魂界に帰る予定の日だ。
私の都合で日程を変更する訳にはいかない。
「即効性だから直に効いて来る筈だ、それまで大人しく寝てろ」
「はい……」
「昨日のこと覚えてるか?」
「それが全く……私何かしちゃった?」
「いや、覚えてねぇなら良い。
特にやらかしてはねぇよ、ただまた男殺しだのなんだのって騒がれそうだと思ってな」
男殺し。
乱菊さんが度々言う言葉で、なぜか他の隊士、主に京楽さん辺りに広まっている。
別に私はそんな物騒なことしてないのに。
「意味は別に理解しねぇで良い」
クシャクシャと優しく髪を撫でられると、なんだか頭痛が引いていく感じがした。
やっぱり阿近って凄いな。
私の体調もあっという間に良くしちゃうんだから。
「薬ちったぁ効いてきたみたいだな。顔色が良くなった」
「うん、ありがとう。
もう少ししたら動けると思う」
「無理はするなよ」
「ん。ありがとう。
阿近に撫でて貰えるなら、たまには二日酔いも悪くないかも」
「阿呆。次は介抱してやらねぇよ」