第13章 調査終了
「あんた達まだ仕事してんの?ほんっと仕事大好きね」
「ら、乱菊さん!いつから」
「今来たとこよ。
なぁに、あたしに聞かれたくないような話でもしてたの?
て、千早に限ってそんなことないか!お酒持って来たわよ、飲みましょ」
目の前にあった机に酒瓶を大量に並べていく。
「俺はまだやることあるから下へ行く。
あんまりこいつに飲ませ過ぎるなよ、酒弱ぇんだから」
「はいは〜い、分かってるってば〜」
阿近が書類を一式持つと地下室へ行ってしまった。
今回の調査書を纏めているのだろう。
なんだか阿近に丸投げしてしまったみたいで少し申し訳なくなる。
「さぁ、今日はジャンジャン飲むわよ!」
「お手柔らかにお願いします」
*****
乱菊さんとお酒を飲み始めてどのぐらい時間が経っただろうか。
恐らくそんなに経っていないのに、もうアルコールが回ったのか頭が凄くふわふわする。
なんだか眠くなって来ちゃったなぁ。
もう阿近とのことも洗いざらい全て話してしまっている。
もう寝ても良いかな。
「ちょっとー?寝るにはまだ早いわよ!ほら起きる!」
「んんー……ねむい」
ゆさゆさと乱菊さんに肩を揺さぶられていると、帰りの準備を終えた3人が浦原商店に戻って来る。
乱菊さんが声を掛け、5人での酒盛りが始まった。
私はもう眠いから休みたいのに中々乱菊さんが離してくれない。
「乱菊さ……寝てもい?」
「カワイイわね、もう。でもダメよ」
「おねがい」
「ダメ、まだ聞きたいことあるの。
ねね、阿近って優しいの?それともやっぱり冷たい?」
「んふふ、阿近はね、可愛いの」
「「「可愛い!?」」」
私の言葉に皆が目を大きくして驚く。
誰がなんて言おうが阿近は可愛い。
阿近の話してたら会いたくなって来ちゃった。
「おい。あんまり飲ませるなって言ったよな。ベロベロじゃねぇか」
「あ、阿近さん……」
「あ?なんだ、修。キモイ顔して」
「阿近、千早がね、あんたのこと可愛いって惚気けてたわよ」
「は?」
会いた過ぎて目の前に阿近の幻が見える。
ギュッてしたいな。