第13章 調査終了
「……喜助くん」
「はい」
「今回私は限定解除と空間凍結をまず尸魂界に申請しました。
確かに技術開発局に連絡を入れ、そして上に棄却された」
通信記録もしっかり残っている。
技術開発局に要請を入れたところまではまず間違いはないだろう。
「はい、だからアタシに頼んだんスよね?」
「その筈です。
でも先程総隊長に理由を伺ったところ、そのような要請は来ていないと叱られました。
儂に断りもなく無茶をするな、と」
申請は技術開発局を通して総隊長・中央四十六室に通達される。
今はまだ総隊長が四十六室を兼任しているのだ。
その総隊長が知らない訳がない。
「向こうに戻ったら一度調べてみます。
次いつまた限定解除が必要になるか分かりませんからね」
「そっスね」
「皆さん、恐らく帰るのは明日の夜になると思いますが、念の為早めに支度を進めておいてください」
「ねぇ、千早、じゃあ今夜暇よね?」
「え?うーん、恐らく……」
乱菊さんが目をキラキラと輝かせている。
観光でもしていくつもりだろうか。
明日に響かせない程度にならと釘を刺そうとした。
「じゃあ今夜飲みましょ!」
「はい?」
「良いじゃない、こんな機会滅多にないんだし!
それにあたし千早に聞きたいことたっくさんあるの」
「聞きたいこと?」
「千早の好きな人の話とか」
「へっ……!?」
その話はもう終わった筈じゃ……!
急に出て来た話題にテンパってしまう。
「聞いたわよ。阿近と付き合ってるんでしょ?
詳しく聞かせて貰うわよ」
「え、えっと……それは……」
「諦めろ、千早。修がゲロッた」
「スンマセン!」
「檜佐木くん〜……!」
「ほんっとすいません!」
「まぁそんなに無理に隠すことでもないですけど、一応黙っててくださいね?」
この場に居る皆に釘を刺す。
今の護廷十三隊は昔よりもかなり雰囲気が良くなった。
今の時代であればそこまで大きな批判を集めることはないだろうが、念を入れておくに越したことはない。
古い考えや偏った考えの人が全く居ない訳ではないだろうし。
それに何よりも阿近に負担だけは掛けたくない。