第13章 調査終了
「五月蝿ェ。
返答ねぇなら勝手にやるぞ」
「わっ、白衣汚れちゃう!」
「今更だろ、んなもん替えならある。問題ねぇ」
阿近の背中に乗せられる。
腹部や肩など至るところから出血がある為、この体勢では阿近の白い白衣を私の血で汚してしまう。
申し訳なさがいっぱいなのに、少し嬉しく思ってしまっている自分もいる。
そんな自分を見抜かれないように静かに阿近の首筋に顔を埋めた。
*****
浦原商店に着くと、すぐに布団の上に寝かされた。
まだやることあるし寝てる訳にはいかない。
そう思って身体を起こそうとすれば阿近に無言で睨まれた。
そしてタイミング良く到着した織姫ちゃんが私に手をかざす。
オレンジ色の光に包まれ、みるみるうちに傷が回復していくのが分かる。
話には聞いていたけど、こんなすぐに回復するなんて。
医療や鬼道とは全く別の力。
「疲れているところ申し訳ないんスけど、どうでした?」
喜助くんの言葉に皆の視線がこちらに集中する。
まぁ天挺空羅を使った時点で大方情報は伝わっているとは思うけど、流石に何も言わない訳にはいかないよね。
小さく息を吐くとゆっくり身体を起こした。
「結論から言うと、今回の虚大量発生は彼女が主犯で間違いありません。
魂魄を虚化させる手段はこれから聞き出す他ありませんが、投薬のようなものだと考えています。
そして、彼女の後ろには藍染惣右介が付いていた」
「今回の市丸ギンの行動については?」
「……表情が読めなかったのであくまでも推測の域を出ませんが、彼女を始末することが目的だったのではと」
彼の行動については、謎が多く残っている。
なぜあのタイミングで現れたのか、そして帰ったのか。
1番疑問なのは最後に言った、愛染の言う通りとはどういう意味なのか。
「卍解使ったんスよね?どうでした?」
「……喜助くんの言葉の真意は分かりかねるけど、私が卍解してすぐに彼は帰って行ったんです。
時間的に考えて致命傷になるような毒量までは達していない」
「彼もやり手ですからねぇ。尸魂界への報告は?」
「済んでます。戻ったらゲンコツだそうです」
「まぁ千早サン無茶しましたからね〜」