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【BLEACH】闇夜に咲く花

第12章 調査 #2


「……縛道の七十七、天挺空羅!」


一か八か賭けに出るしかない。
鬼道で喜助くんの霊圧を探り、通信を飛ばす。
霊圧と意識は多少削がれるけど、現状を打破するには彼の力を頼るしか方法はない。



「喜助くん、お願いがあるの。
私の居る場所から半径5km圏内を空間凍結して欲しいの。
現世座地区は……」



端的に必要な情報のみを切り取って伝える。
制限された霊圧の中では、天挺空羅を持続する霊圧すらも惜しい。




*****




午後3時。
皆サンが集まり情報共有を行う時間。
当然ながらここに千早サンの姿はない。
他の皆サンの話に耳を傾けていると空間が小さく震えた。
この感覚は天挺空羅っスね。



「喜助くん、お願いがあるの。
私の居る半径5km圏内を空間凍結して欲しいの」



他の皆サンには聞こえていない。
これはアタシにだけ向けて放たれた鬼道。



「……戦況は?」



本来、天挺空羅は対象の霊圧を補足しこちらの声を届ける鬼道。
相手からの言葉は届かない仕組みになっている。
でもその鬼道に、こちらも同じ鬼道を乗せれば離れていても会話が可能になる。
アタシが鬼道を使ったことで、皆サンの視線がこちらに集中する。



「……良いとは言えません。
Xは鬼道で捕えています、結界の中に入れているので逃走する心配はありません。
でも現在彼女を庇いつつ、市丸ギンと交戦中です」
「!?どういうことっスか?」
「Xは愛染と繋がっていた、現状分かるのはそれだけです」
「限定解除は?空間凍結なら技術開発局の方が……」



端末を操作しながら千早サンの位置を探り、空間凍結の準備を始める。



「許可申請降りませんでした。
お恥ずかしい話ですが、このままでは私に勝機はありません」
「分かりました。5分……いや、3分で仕上げてみせます。
時間をくださいっス」
「頼みます」



そう言って通信は切れた。
あの千早サンがここまで言うとは、早急に作業をしなくては。



「阿近サン、手伝ってください」
「空間凍結か?」
「ハイ。千早サンの半径5km圏内を全て空間凍結します」
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