第12章 調査 #2
阿近サンと2人で端末を操作し、準備を進めていく。
5kmなんて広さの空間凍結なんて普段は滅多にやらない。
「今の空間の震えは天挺空羅っすか!?
千早さんからですよね?なんかあったんすか?」
「落ち着け、修」
「……千早サンは今市丸ギンと交戦中です。
尸魂界から限定解除の許可が降りず、苦戦を強いられている」
なぜ許可が降りないのか、なんてことを考えるのは後回しっスね。
今は1秒でも早く空間凍結をしなくては。
「千早さんがピンチなら助太刀に行かねぇと!
場所はどこっすか!?」
「落ち着け、修。2度も言わせんな」
「あんたはなんでそんなに冷静なんすか!?自分の恋人じゃねぇんすか!?」
「……檜佐木サンだけじゃないっスよ。
松本サン、斑目サン、綾瀬川サン。
あなた方は一体誰の助けをしようと言ってるんスか?」
「誰って、千早さんの……!」
皆からこんなに慕われているなんて普段の千早サンの人柄っスね。
「だから、誰を助けようとしてるのかって聞いてんス。
千早サンっスよね?十四番隊 “隊長” の。
隊長の戦いにキミらが手を出す言うんスか、笑わせてくれる。
それは仲間意識でもなんでもない、ただの自殺行為っスよ。
千早サンはこの戦いで卍解を使おうとしている。
あなた方が行けば千早サンは卍解を使わない、いや使えないんスよ。
彼女の卍解は敵味方関係なく殺す力がある。
それに彼女は総隊長の愛弟子。
護廷十三隊がピンチの時には、彼女を復職させようと総隊長自ら声を掛ける程の実力と信頼のある人っス。
もう一度聞きます、あなた方は誰の助けをしようとしてるんスか?」
皆上位席官なだけある。
すぐに状況を理解し、1度上げた腰を再び下ろした。
「すんません……!」
「分かれば良いんスよ」
「おい、あんたも喋ってねぇで手を動かせよ」
「動かしてるじゃないっスか〜、酷いなぁ。
それにしてもお2人付き合ってたんスね」
「……修はあとで説教な」
「はい……」