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【BLEACH】闇夜に咲く花

第12章 調査 #2


彼女と適度に距離を保ちつつ、尾行する。
やって来たのは高校からかなり離れた、公園。
こんなところに用事?
物陰から息を潜めて様子を伺っていると、彼女は鞄から小さな注射器を取り出した。



「フフ、すぐに楽にしてあげるからね」



注射器を持つ反対の手で、ブランコに座っていた少年の魂魄を掴む。
……ここで私が止めに入ればこの魂魄は虚化せず助かるだろう。
でも決定的な証拠がない以上彼女を問い詰めることが出来なくなる上、私への警戒が強くなり今のように自由には動けない。
戦いに身を置く中で、多少の犠牲は仕方ないと分かってはいたけど、何度経験しても胸が痛む。



「……ごめんね」



1度目を伏せてから、再び顔を上げると彼女の注射器がまさに少年に打ち込まれるところだった。
中の液体を全て注入されると少年は暫く胸を押さえて低い唸り声を上げていた。
少年が一際大きな声を上げると同時に、その口から白い液体のような物が吐き出され、顔や身体を覆っていく。



「っ……!」



それは次第に硬化していき、虚と同等の身体つきになる。
仮面に模様が現れ、超音波とも取れるような甲高い音がしたかと思えば、空から大量の虚が出現した。
これで確信した、Xは彼女で間違いない。



「何をしてるの、こんなところで」
「あら、やぁだ、バレちゃった。
千早こそこんなところで何してるの?」
「あなたを尾行して来たの。
もう逃げられないわよ、一体なんの目的で魂魄を虚に変えているの!」



今までなら姿を見られる前に逃げていたのに、今回は逃げる素振りを見せない。
逃げる必要がないのか、逃げられないのか。
どちらにしろ好都合。
周りの虚を排除しつつ、彼女を拘束するのみ。
民間人に被害が出ないよう、広範囲に結界を張る。



「こんな時期に転入生なんて変だと思ったけど、まさか死神だったなんてね〜。
騙された!
でも、1人で相手する気?この数の虚を」
「ええ、そのつもりよ」



義魂丸を飲み、義骸から抜けると情報を伝達させる為、喜助くんの元へ走らせた。
周りの虚も早急に対処したいけど、まずはやはり彼女からね。
斬魄刀を抜き、斬り掛かる。
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