第12章 調査 #2
まとめると、私が不在時にかなり書類が溜まり、自分達だけでは処理しきれないと言うことだった。
確かに十四番隊の書類量は尋常じゃないからね。
尸魂界から速達で隊首室にある端末を送って貰い、そこに必要書類を転送して貰うようにしてある。
毎回書類を届けに現世に来て貰うより、機械を使って行う方が遥かに効率が良いし。
電話を終えて戻ると弓親さんが居なかった。
お風呂かな。
再度伝令神機に届いたメッセージを確認していき、返信が必要なものには返しを打つ。
「ねぇ、千早。あんた義骸脱がないの?
窮屈じゃないの?それ。あたしは出来れば着たくないわ〜」
「あ、忘れてた……脱ぎます」
「ほんと変なとこで抜けてるわよね、千早って。
まぁそこが可愛いんだけど」
物陰に隠れて義骸を脱ぐ。
まぁ義骸だから見られても別に困らないけど、なんとなく倫理的にそうした方が良い気がして。
もう慣れちゃったけど、義骸は凄く窮屈だ。
昔と比べるとかなり改善されているけどそれでも動きにくいことに変わりはない。
*****
全員がお風呂に入り終え、各々好きな時間を過ごす。
と言っても寝ている人が殆どだけど。
私は尸魂界から届いた端末を操作して書類を進めていく。
「何やってんだ、それ」
「ん?十四番隊の書類やってるの」
「違う、その腕の」
「腕?あぁ、これね。
私の霊圧を電源にして動かしてるの、コードないところだと凄く便利よ」
端末から伸びる黒いコードを、大きな洗濯バサミのようなもので手首に挟み、繋ぐ。
こうすることで私の霊圧を電力にして動いてくれるので、場所を選ばず使うことが出来るのだ。
「へぇ……珍しいもん使ってんな」
「あまり売ってるところは見ないけど、場所を選ばずに使えるから凄く便利なの。
ほら、今のってコンセントがないと動かないでしょ?」
「まぁ全部がそうって言う訳でもねぇが……それ、結構な量の霊圧消費しねぇか?」
私と阿近以外は皆もう眠っている為、少し声を抑えて会話をする。
なんだか逢い引きしてるみたいで凄く後ろめたい気分になるけど、でも阿近と話せるこの時間が好きだ。