第12章 調査 #2
「じゃあ今回はこれで解散ということで。
皆サンしっかり身体を休めてくださいっス」
喜助くんの言葉に皆腰を上げたが、よく考えてみればこんな時間から戻っても迷惑を掛けてしまうと今日は皆ここに泊まることになった。
「お風呂沸かしてありますから順番にどうぞ入ってくださいっス。
じゃあアタシはもう寝るんで、おやすみなさい」
大きな欠伸をしながら上に戻る喜助くん。
流石にこの人数が泊まるスペースは無く、皆地下室で寝ることになった。
まぁ泊めて貰ってる以上贅沢は言えないんだけど。
「じゃああたしお風呂行こ〜。あ、千早も一緒に入る?」
「あ、いえ、私はまだ少しやりたい仕事があるので1番最後で良いです」
「えー、最後で良いの?変わってるわね。
一角の出汁が出たお風呂になっちゃうわよ!?」
「オイ」
「ふふ、なんですか、それ。
明日も早いので私はシャワーだけ浴びます」
乱菊さんを見送ると、シンと静かになる地下室。
「阿近、これ例の彼女の霊子。
バレないようにだからあんまり量は多くないんだけど」
「おう。よくこれだけ採れたな」
険しい顔でパソコンを叩いている阿近に、内緒で採取した彼女に霊子サンプルを手渡す。
怪しまれないように採取するのにはかなり苦労した。
流石に疲れたし座りたい、そう思って阿近から距離を取ると伝令神機がメッセージを受信した。
今日はよく鳴るなぁ、と中を開くと織羽からお手隙の際に連絡くださいと入っていた。
「あれ、千早、こんな時間からどこか行くの?
夜道の女性の1人歩きは危ないよ、ってそんな心配要らないか」
「ふふ、ありがとうございます。
ちょっと電話して来るだけなので大丈夫です」
上に戻るとちょうどお風呂から上がった乱菊さんとすれ違う。
流石に色っぽい。
外に出て織羽に電話を掛けると、物凄く謝り倒されたけど要点だけを軽く説明してくれた。
本当に申し訳ございません……!全ては僕の力が及ばぬばっかりに千早様にご迷惑を……!
と、こちらが心配になるぐらいに謝り抜かれた。