第12章 調査 #2
「ねぇ、千早。午後の授業サボってわたしとイイコトしない?」
「いいこと……?」
彼女の言葉の真意が分からず、首を傾げる私に笑みを深くした。
ひょっとして、なんかマズイ展開……?
「あは。ほんとにウブなのね、カワイイ。
なぁんにも知らない千早をわたし好みに調教出来るって凄く興奮する」
「あの……?」
「その怯えた顔もイイネ……すぅっごく唆る。
ね、どう?悪いようにはしないわ」
グッと更に距離が縮まる。
身体が触れ合い、彼女の豊かな胸が押し付けられる。
ふわふわしてる……ってそうじゃなくて。
現実逃避しかけた思考を無理矢理戻し、頭をフル回転させる。
どう答えれば彼女の望む答えになるのか。
事件解決までの最短のルートになるのか。
「返事がないってことは悩んでるってことよね!
なら行きましょ!絶対後悔はさせないから」
「あっ、まっ……!」
私の腕を引き、走り出すヤコ。
ペースはそんなに速い訳じゃないけど腕を引かれてると、走りにくい。
これは一体どこに向かっているのだろう。
一旦喜助くんに報告したいけど中々1人になるタイミングがなさそうだ。
「着いた!制服じゃ目立つから着替え買おう!
お揃いが良いなぁ。千早は脚が綺麗だけど他の人に見せたくないから、はいこれ着替えて」
「え?あ、うん」
可愛らしい洋服店に入ったと思えばテキパキと服を選び、上下セットで手渡される。
そして更衣室を指すと私を強引に押し込んだ。
これは着替えるしかないよね……一体何がしたいんだろう。
目的が分からず小さな息を吐くと、着替えに移った。
手渡されたのは黒のタイトなロングスカートと、肩とデコルテの開いたベージュのトップス。
「着替え終わった〜?」
「わっ、あっ、まだ!」
服を脱いだタイミングでサイレントにしていた伝令神機が鳴り、受信したメッセージを確認しようとすると外から声が聞こえた。
慌てて伝令神機を元のポケットに戻したと同時にカーテンが開けられて中にヤコが入って来た。
「あは、可愛くて待てなかった。
千早着替えるの遅いからわたしが着替えさせてあげるね」