第11章 調査 #1
ズルリとナカから自身が抜かれ、喪失感に小さく声が漏れた。
もっと繋がっていたかったのに。
「まさか自分だけイッて終わりな訳ねぇよな?」
「へ?」
壁に寄りかかってしゃがむ私の顔の前にズイッと差し出されたソレは、さっきまで私のナカに入っていた阿近自身だ。
大きく膨張し、血管が浮き出ているソレは私の愛液でテラテラと濡れていて。
「……これ、変な味する」
「千早のだろ?」
小さく舌を出して先端を舐めれば、嫌でも口内に少し独特な味が広がる。
自分のだと思うと身体が受け付けない。
そう抗議しても、出来るよなと口元を指でなぞられれば、単純な私はその気になってしまう。
「んっ、ふっ……」
「ハァ……その顔、たまんねぇな」
髪を撫でられ、心が暖かくなる。
いつもより大きい阿近自身は凄く苦しいけど、阿近から漏れる吐息がそれを吹き飛ばしてくれる。
「は……ぁ……」
「んっ、きもちい?」
「あぁ」
様子を伺うように上目で阿近を見れば、目を瞑り、眉間に皺を寄せる阿近の姿があった。
私の拙い愛撫で感じてくれてる。
そう思うと凄く嬉しくて、もっと気持ち良くしてあげたくて夢中になって舌を動かす。
この頃にはもう自分の味なんて気にならなくなっていた。
「っ……ん……」
熱い息と共に吐き出される小さな声。
いつもの阿近からは想像出来ないぐらい余裕が無さそうで、胸が高鳴る。
ビクビクと僅かにだけど、阿近の腰が動く回数が増した。
阿近が大きな反応を見せるのは先端と、裏筋の部分。
そこを重点的に舌で舐めるとまたビクリと腰が跳ねた。
嬉しい。もっと気持ち良くなって欲しい。
「っ、は……見んな」
薄らと目を開けた阿近と目が合い、そのまま雑に手で目を塞がれる。
阿近の気持ち良さそうな顔もっと見たかったのに……。
少し残念に思いながら裏筋を尖らせた舌で舐め上げる。
「っ……」
一際ビクリと大きく腰を揺らすと、目を塞いでいた手が少しズレた。
指の隙間から阿近の顔が見える。
小さく口を開け、短く荒い息を繰り返す姿に果てが近いのだと悟る。
可愛い。