第8章 躾

｢すぐイクなって言っただろ、へばるぞ｣
｢ひゃあっ、やっ、あっ｣



逃げられないように腰を強く掴まれ、グリグリと奥まで突き立てられる。
粘度の高い水音と肌のぶつかる音が行為の激しさを物語る。
パチュパチュと止まることのない律動。
強過ぎる刺激の数々に頭の中が真っ白になる。



｢ぅあっ、あっ、や、また……っ、またイッちゃ……ｯ｣
｢何度でもイカせてやるよ｣
｢はぅっ、あっ、はっ、あぁｯｯ……！｣
｢凄ぇな、締め付け｣
｢やぁぁ、あっ、やだ、やだやだ、まだイッて……イッてるぅ……！｣
｢あ？知るか｣



絶頂の途中で強く腰を打ち付けられ、快感の許容値を軽々と超えた。
身体中に電気が走ったような快感が流れる。
崩れそうになる腕を阿近に引かれ、体重の全てを阿近が支えてくれている形になる。
肘のところから身体を引っ張られ、この快感から逃れる術はない。



｢ひぃっ、はぁっ、あぁ、はっ……｣
｢おら、まだイケるだろ｣
｢〜〜ｯ、うぅ、もぉ、むりっ｣



背筋を仰け反らせ、一際大きな波を迎えると意識が遠のいていく気がした。
視界が霞む。
身体に力が入らない。
もう出来ない、イケない。限界だ。



｢勝手にトぶんじゃねぇよ｣
｢いたｯ……｣



ガリッと肩を噛まれて、遠のき掛けていた意識を無理矢理引き戻される。
何度達しても阿近は離してくれない。
休む間もなく奥を突き続けられ、声が出なくなっていく。



｢は……あ……｣



意識が飛びかける度に阿近に肩や背中を噛まれて強制的に意識を引き戻される。
噛まれて薄らと血の滲んだ痕を舌でなぞられるとピリッとした小さな痛みが走る。




｢千早｣
｢ん……うん……？｣
｢そろそろイク……！｣



ズルリとナカから自身が引き抜かれ、背中に温かい液体が飛ぶ。



｢生きてるか？｣
｢ん……なんとか｣
｢ふはっ、そうか。今拭いてやるから待ってろ｣
｢ありがと｣



お湯で濡らしたタオルを持って来てくれて、背中や身体を拭いてくれる。
噛み痕に染みてちょっと痛い。



｢やっぱり映えるな｣
｢ん？｣
｢千早の肌、白いから赤い痕が綺麗に映る｣
｢っ、ばか｣