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【BLEACH】闇夜に咲く花

第8章 躾


「千早明日は仕事か?」
「うん。本当は休みだったんだけど、急遽出勤になったの。
明日から十四番隊に副官が就任するから色々やることがあってね」
「そうなのか」
「阿近は?明日仕事?」
「いや、休みだ」
「そっか……ゆっくり休んでね」
「あぁ」



阿近の伸ばしてくれた腕に頭を乗せ、ウトウトしながら会話を続ける。
浴衣すら着るのも億劫に思えてしまう程に眠気が強い。



「身体冷えるだろ、何か着るもの持って来るか?」
「んん、いらない」
「風邪引かれても困るから言ってるんだ」
「やー……面倒くさい」
「眠い時は餓鬼だな。場所言ってくれりゃ持って来る」
「……阿近が離れるのもヤ」
「はいはい。場所は?」



下着の上から死覇装を軽く羽織っただけの阿近が、布団から出ると心なしか肌寒く感じる。



「……寒い」
「少しぐらい我慢しろ。で?場所は?」
「箪笥の上から2段目」
「おら」



阿近から手渡された着流しを軽く羽織る。



「あこんー」
「ん?」
「その1番下の引き出しにあるの取って」
「これか?」



掌サイズの小さな箱を阿近に取って貰うと、その中に入っていた物を手渡す。



「鍵?」
「うん、この部屋の。好きな時に来て良いよ」
「良いのか?」
「もちろん。阿近ならいつでも大歓迎だよ」
「ありがとな」



布団に戻り、クシャクシャと優しく髪を撫でてくれる阿近。
その手が心地良くて覚めかけていた目が再び重たくなっていく。



「無理するな。連勤な上に寝てねぇんだろ?」
「ん。ごめんね」
「俺も寝るから気にしなくて良い」



阿近の胸元に顔を埋め、息を吸い込めば当たり前だけど阿近の匂いがした。
阿近の匂い落ち着く……。
結局また連絡先を教えるのを忘れちゃったな、なんて思いつつももう瞼は上がらない。
明日起きたあとでやろう。
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