第8章 躾
「ひっ、っあぁ、あっ、イク……ッッ」
ビクビクと背中を仰け反らせ、快感に身を委ねる。
1週間ぶりの絶頂に身体は疲れてヘトヘトだ。
呼吸は全然整わないし、燻った熱も少し引いただけ。
「エロ……なぁ、見えるか?俺の指汚してんの」
「っ、ごめんなさい……でも気持ち良かったです……」
テラテラと私の愛液で光る阿近の指。
その指を広げれば指と指を繋ぐ透明の糸。
綺麗にしろよ、と口にその指を押し込まれ独特な味に顔を歪めた。
変な味。美味しくない。
「千早のだろ?自分で綺麗にしなきゃな。
それとも俺に舐めとって欲しかったか?」
阿近の言葉に小さく首を横に振ると、舌先でチロチロと指に付いたそれを舐めとっていく。
味が気にならなくなった頃、口内で阿近の指がおもむろに動き始めた。
「んん、ふっ、ん……」
指先が上顎を擦り、その度に歯痒いような小さな快感が生まれる。
指に邪魔をされて上手く飲み込めなかった唾液が口端から零れると、阿近は見せつけるように舌を大きく出して舐めた。
「っ、ねぇ、阿近、お願い」
「ん?」
「ほし……ぃ」
「何を、どこに?」
「やぁ、そんなの言えない」
「言えなきゃずっとこのままだな。良いのか?」
グリグリと腰に宛てられる阿近自身は熱を帯びていてとても硬い。
あれが入ったらどんなに気持ち良いか知ってしまっている身体は我慢が効かない。
欲しくて欲しくて堪らなくてキュンキュンと下腹部が鳴く。
「っ、これが……ほしい、です」
阿近の硬く主張する自身に手を這わせ、布越しに擦る。
私の手の動きに合わせて阿近が息を吐くのが可愛い。
これが奥まで入ったらもっと気持ち良いのに。
「千早にしては頑張った方だな。四つん這いになれるか?」
ゆっくりと体勢を変え、阿近にお尻を向ける形になる。
阿近のソレが宛がわれ、ヌルヌルと入口を往復させる。
「すぐイクなよ、持たねぇぞ」
「っ、〜〜ッッ……!?」
耳元で囁かれたかと思うと、腰を掴まれ、一気に奥深くまで挿入された。
強過ぎる衝撃に思わず息が止まる。
身体を支える腕が、膝が、ガクガクと震えて力が入らない。