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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第8章 私と圭介と初日の出ツーリングと


「やべー! マジで正月早々何してんだ俺ら!」
「……ぷっ、ふふ! ほんとね! 小学生みたい!」
「な! でもこれでちゃんの願い事、ぜってぇ叶うだろ!」
「圭介は自分の願い事しなくてよかったの?」
「おう! ちゃんに幸せな一年送ってもらいてェから!」
「え……圭介めっちゃいい人じゃん……」

 はわわ! 口元をわななかせていると「気づいてなかったのかよ」と圭介はおかしそうに笑った。いや知ってたけどさ。これでもかってくらい知ってたけどさ、自分の願いよりも私の願いを優先してくれたことがとてつもなく嬉しい。

「圭介のお願い事は何?」
「さっき言ったろ? ちゃんの願いが叶うことだって」
「そうじゃなくて、圭介がしたいこととかやりたいこと! 私も圭介のお願い事が叶うようにお願いしたいの」
「そーだな……千冬と一虎とちゃんと四人で飲みに行きてぇ、かな」
「そんなことでいいの?」
「ソレがいいんだよ」

 だから付き合えよなって言った圭介に、笑顔で頷き返す。それくらいなら今すぐにでも私が叶えたあげたいくらいだよ。千冬さんと一虎は強制召喚の刑に処すから、まじで。でも……様子をうかがうように隣を見やると、彼と視線が交差する。
 どうしたのかと問われて、うん……と言葉に詰まる。もう半分以上姿を見せた太陽に背中を押され「あのさ」と圭介に声をかける。

「二人でも飲みに行ってくれる?」
「……んなの訊くまでもねぇだろ」
「それってどっち?」
「いいに決まってンだろ。俺も行きてェ」
「その前にモーニング行かなきゃだわ」
「それな」

 んーと腕を上に伸ばす。ゆっくりと話をしていたらいつの間にか太陽はほとんど昇りきっていて、一日の始まりを告げていた。

「あ」
「どうした?」
「圭介に言い忘れてたことがあるわ」
「ン?」
「明けましておめでとう。今年もよろしくね」
「……おう! よろしくな!」

 太陽にも負けないくらい眩しい笑顔で私に笑いかけてくれる圭介。風になびいて緩やかに揺れる髪が茜色に照らされて、いつもより神秘的に見える。
 私だって……私だって……!
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