【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました
第8章 私と圭介と初日の出ツーリングと
「んー」
「どうした?」
「ミルクティーにするか、コーンスープにするか悩んでる」
「両方買えば?」
「お腹たぽたぽになるよ」
「しょーがねぇなァ」
その言葉と共にコーンスープとミルクティーを手にした圭介は「ん」とミルクティーを私の方に手渡した。
「ん?」
「こっち買ってやるから半分コしようぜ」
「圭介、神かよ」
「おー今ごろ知ったンか?」
「知った知った。そんな圭介神へ今からペヤングを生け贄に捧げます」
「他に言い方なかったンか?」
「ないね」
ミルクティーとペヤングを片手にレジへと向かい、肉まんも店員さんにお願いする。ほかほかの肉まんとミルクティーを持っているだけでテンションが上がるなぁ! にっくまん、にっくまん。
隣のレジでコーンスープとピザまんを買っている圭介を通り越してペヤングへお湯を入れる。私、前回で学んだので今回はちゃぁぁぁんとペヤング作って見せますよ。ふふん。……って、あれ? このお湯どこに捨てたらいいんだろ?
ペヤングを持ったまま固まっていると、お会計を終えた圭介が「何してンだ?」と怪訝そうな顔で問いかけてきた。
「このお湯ってどこに捨てるの?」
「店員さんに頼むんだよ。貸してみ」
私からペヤングを貰い受けた圭介は、慣れた様子で店員さんに湯切りをお願いしている。ほほう、店員さんにお願いしたらいいのか。一瞬、トイレに捨てに行くか? と残念な選択肢が頭をよぎったけれど、実行しないですんでよかった。
「出来たぞー」
「ん。そこの椅子に座って食べよっか」
コンビニの中にある簡素なテーブルと椅子を指差して、二人で向かう。歩きながらペヤングのソースを混ぜ混ぜしている圭介は、鼻歌を歌ってご機嫌そのもの。ペヤングひとつでこんなにもウキウキしている大人を初めて見たよ、私は。