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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第7章 私と場地さんと年越しと


「ほら、バイク交換するわよ。シャドウに乗るんでしょ?」
「おう! ちゃんのバイクどれ?」
「あの子だよ。可愛いでしょ!」
「ごっついな」
「ゴキと比べればね」

 二機を並べると全長はもちろん、幅も違えば重さも違う。けど私はこの、これこそバイク! って感じの堂々たるフォルムがたまらなく好きなんだよね。かっこよすぎる。
 私からカギを受け取った圭介が、流れるような手つきでシャドウのエンジンをかければ、ドッドッドッとネイキッドでは聞くことのできない重低音を辺りに響かせ始めた。「お」と嬉しそうな声を上げる圭介に習って、私もゴキに股がってからエンジンをかける。っていうか圭介、シャドウ似合うな。

「たまにはこーゆーのもいいな!」
「ね! どっちが先走る?」
「俺行くわ!」
「オッケー! コーナーあんま車体倒しちゃだめだよ! マフラー擦ったら修理費要求するから!」
「ちゃんこそ事故らねェように気を付けろよな!」
「誰に向かって口聞いてんのよ!」

 ゴキの排気音よりも更にうるさい私のバイク。二機に負けないように声を張り上げながら会話しなければならないので、どうしてもうるさくなってしまうのは許してもらいたい。新年だから大目に見て。そして夜勤の人がいたらごめんなさい。
 ヘルメットをしっかりと被ってから場地さんの方を確認すると、彼も準備万端。こくり、と頷いてから滑るようにバイクを発進させた彼に私も続く。よーし、それじゃあ──。

「れっつごー!」



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