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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第6章 私と場地さんと場地さんみたいな人と


 白のパーカーにデニムのカーゴパンツ、そして黒のライダースジャケットとライダースコーデをクールに着こなした場地さんは、艶やかな髪の毛を靡かせながら「行くぞ」と声をかけて歩き出した。そのあとをカルガモの子どものように着いていくと、今ではもう見慣れたゴキのところまで二人歩く。

「ライダースジャケット似合うね」
「だろ? 一虎と買いに行ったんだワ」
「一虎さんもバイク乗るの?」
「ケッチ」
「ケッチかー。三気筒かっこいいよね」
「ちゃんマジ話わかるな。まぁゴキには敵わねェけど」
「おっとどっこい。私のシャドウが一番よ」
「言ったな? 今度乗らせろよ?」
「ネイキッドに戻れなくなっちゃっても責任とらないからね?」

 ふふん。と自慢げに笑う私の方を小突いた場地さんは私が後ろに乗ったのを確認すると、ゴキのエンジンをかけて緩やかにバイクを走らせ始めた。場地さんの見た目からは想像つかないような優しい運転に、少しだけ口元が緩む。
 ゴキに乗った私たちは「ゴキが日本一だ!」「シャドウは世界一だ!」と不毛な言い争いを繰り広げながら私の家までの道のりを過ごした。
 ちなみに私の服と下着は後日XJショップで、私が借りた場地さんの服と無事に物々交換してきました──が! 私の目の前で一虎さんと場地さんが「パンツ何色だった?」「薄紫」と空気の読めないやり取りをしたことによって一気に無法地帯へと化したとかなんとか。アイツらマジで許さん。



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