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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第6章 私と場地さんと場地さんみたいな人と


「ちゃんてさー」
「うん?」
「化粧してるとキレーだけど、すっぴんだとかわいーのな」
「……は?」
「なんつーの? 普段より幼く見える」

 ぶわっと一気に顔が赤くなるのを自分でも感じる。どうしても顔を見られたくなくて、しっしっと場地さんを手で追い払えば怪訝そうに顔を覗きこまれた。って! 覗いてくんな! こっちは見られたくないのに!

「照れてンのか?」
「照れてない」
「ちゃんも可愛いとこあンのな」
「……やっぱり帰る。場地さんバイクで送って!」
「そーだな。そのあっちぃ顔冷まさねーとな」
「そんなんじゃないから!」

 勢いよく場地さんの方へ顔を向けてしまい「やっぱ顔真っ赤じゃん」とからかわれてしまったのは言うまでもない。場地さんのしてやったり顔が無性に腹立つ。

「服は置いてくか? 濡れてっけど持ってく?」
「あ、そっか服。場地さんの服、借りてってもいいの?」
「おー。さすがに全裸で帰らせるほど鬼じゃないワ」
「そうなったら風邪ひくの覚悟でベショベショの服着ます。痴女になるよりマシ」
「そんな気にしなくても誰も見ねーって」
「場地さん一回黙ろっか」

 そりゃね? みんなが思わずみとれるようなすんんんばらしい体つきしてるとは思ってないよ? だからと言って誰も見ないほど貧相な体でもないもんっ。そもそも貧相な体つきのが好きな人だっているわけだし、私の体が需要ないわけじゃない! はず!

「ンなむくれんなって。可愛い顔が台無しだぜ?」
「私はむくれても可愛いんですー」
「ソーダナ」
「棒読みヤメテ」

 スウェットが落ちないように、場地さんに貰った髪ゴムで、余ったところをきつく結ぶ。不格好だけど、バイク乗っている間に半ケツになるよりはずっとマシよ。
 そしてこれまた場地さんのダウンジャケットを借りて、準備は万端。トレーナーと同じくダボダボのそれは、萌え袖とか言う概念を覆すほど袖が有り余っている。
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