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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第5章 私と場地さんとクリスマスイブと


「……場地さんストップ」
「ア?」
「ちょ、っと。眠くなっちゃった。かも」
「──マジ?」
「ん……もうヤバいから、お会計する。場地さんはまだ飲んでて」

 ふわふわと浅くまどろむ感覚はとても好きだが、ここで眠るわけにはいかない。おじちゃんにお会計と声をかけてお財布からお金を出せば、隣の場地さんも私に習うようにお会計を済ませた。どうやら彼も帰るらしい。

「送ってやるから」
「大丈夫だよ、ここまでタクシー呼ぶから」
「んならタクシー来るまで一緒に待ってるワ」
「心配性だなぁ」
「だってちゃん、今にも寝そうだし」
「失敬な……起きてるし」
「へーへー。便所行ってくるから大人しく待ってろよ?」

 場地さんがトイレに行ったのを見送ってから、もう一度おじちゃんに声をかける。人好きのする笑みを見世ながら「どうした?」と訊いてくれるおじちゃんに「焼き鳥、持ち帰りで十五本くらい用意してほしい。クリスマスプレゼントにあげたいの」と伝えれば、大輪の花を顔に咲かせて快く引き受けてくれた。
 その言葉に安心したせいか、さっきよりも瞼をあげていられなくなる。ちょっとだけ。ちょっとだけ寝て、場地さんに起こしてもらおう。
 タクシー来るまでまだ少し時間あるし……。そう思いカウンター席に体を委ねて、私はゆっくりと目を閉じた。



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