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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第5章 私と場地さんとクリスマスイブと


 か、かわ、かわいい……! 目をキラキラさせながら勢いよく横を向けば、目尻を優しく下げて笑う場地さんと目があった。その顔は──ズルいでしょ。

「気に入ったか?」
「気に入った! でも、可愛くて食べられないよー」
「カビる前に食えよ?」
「わざわざ買ってきてくれたの?」

 顔面強めな場地さんがこのアイシングクッキー買っているなんて……うん、ギャップが凄いわ。どんな顔して買ってきてくれたんだろ、見たかったなぁ。
 ──はっ! っていうか私、場地さんへのクリスマスプレゼント何も用意してない! 場地さんにすら女子力で負けてる気がする!

「場地さん……私、クリスマスプレゼント何も用意してないよ……」
「別に貰おうと思ってねーし」
「私だけ貰っちゃうのもなぁ……」
「こないだチョコくれたじゃん」
「でもそれはみなさんで、ってあげたやつじゃん。私も食べたし」

 つくねをかじりながら、ぶすっと唇を尖らせる。帰るころにはケーキ屋さんも雑貨屋さんも閉まってるだろうし、コンビニかスーパーくらいしか空いてないよなあ。さすがにお返しがコンビニのケーキってのは申し訳なさすぎるからちゃんとしたもの買いたいし。

「俺も用意してなかったんだけどよ、ちゃんの店歩いている途中でたまたま見つけたから買っただけなんだワ」

 ちゃん、食べんの好きだろ? と問われれば、もちろん二つ返事で頷いた。

「だからンな気にすんな」
「場地さんイケメン。超イケメン」
「知ってンだなーコレが」

 お猪口片手に、にひっと笑う場地さんに私も笑みをこぼす。すると何か思い出したかのように「あ」と口にする彼にどうしたのかと首を傾げていると──。

「ちゃんもイケメンだよな」

 と、思いもよらない言葉が返ってきてすっとんきょうな声をあげてしまった。いや、え? ナンダッテ?

「場地さん知ってる? イケメンってイケてるメンズの略だよ? 私、メンズじゃない」
「それは知んねーけど、ちゃんってカッケーじゃん」
「そうかなぁ……?」
「おう。自立した大人って感じでめっちゃカッケー」
「……初めて言われた」
「マジで? やっぱみんな見る目ねーなァ」
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