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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第5章 私と場地さんとクリスマスイブと


 お仕事とかで疲れてたのかな? 短い間だけどゆっくり眠ってほしいな。そう思いながらいつもより気持ちゆっくり手を動かしていく。

「……っし、場地さん終わったよ。オイル拭き取るね」
「──んあ?」
「おはよ」
「あー……俺寝てた?」
「可愛い顔で寝てたよ」
「は!? 見たのかよ!」
「人のパンツ見たくせに寝顔くらいでギャンギャン言わないでよ」
「あれはフカコーリョクだろ!」

 くっそー……と恥ずかしそうに手のひらで顔を覆う場地さんにしてやったりな気分。私がそんな顔をさせたのかと思うと、ちょっと優越感だわ。
 体のオイルを拭き取ってから場地さんに感想を求めると「うお! 体が軽い!」とまるでツチノコでも見つけたかのように大喜びをしてくれるので、こちらまで嬉しくなってくる。この人たらしめー。

「ちゃん、サンキューな!」
「ん。喜んでもらえたみたいでよかった」
「気持ちかったワ」
「でしょー? 良かったら千冬さんや一虎さんにもオススメしといてよ。一気に三人は無理だけどさ」
「おー。二人にも言っとくわ」
「うん、ありがと! 着替えたら飲み物出すから声かけてね」

 一旦部屋の外に出て大きく息をついて小さくガッツポーズする。よくやったぞ、私! 今日一番の大仕事を終えた自分をたくさん褒めてあげたい。ビールと焼き鳥という祝杯を早く挙げたい。近くに用意してあるハーブティーをコップに注いで場地さんの部屋まで戻ると「着替え終わったぞー」と声をかけてもらった。ナイスタイミング。

「ハーブティー持ってきた」
「なんか変な臭いする」
「ハーブだしね。苦手だった?」
「飲んだことねェかも」

 コップに鼻を近づけてスンスンと匂いを嗅ぐ姿はどこか動物的。大型犬か、狼って感じする。ちなみにハーブティーを飲んだ感想は「草の味がする」だそうで。彼のボキャブラリーの無さをはなはだ痛感した出来ごとになりましたよ。草て。間違いではないけど、もっと他に何かあったでしょうに。

「ちゃん、これで仕事終わりなんだよな?」
「うん! 着替えるから焼き鳥行こ!」
「やっぱ焼き鳥なんだな」
「焼き鳥嫌だった?」
「いや、俺ららしくてよくね?」
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