【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました
第2章 私と場地さんとパンツと
「……あったま痛ぁ」
ガンガンと割れるように痛む頭を押さえながら、なんとかソファから起き上がる。ただ今の時刻はお昼の十二時。昨日の夜から着替えもせず、メイクも落とさず、宣言通り潰れるまで飲んだ私の格好はヒドイものとなっている。
とりあえずシャワー浴びたい……その一心で風呂場までヨロヨロと歩いていき、ずっと着ていたデート服を脱ぎ捨てる。纏っていたものを全部脱ぎ捨てて、暑いシャワーを頭から浴びるとさっきよりも随分頭がスッキリした気がする。……気はするけど、さすがにまだ頭痛いわね。
はぁ……お昼ご飯どうしよっかな。作る気力なんか毛頭ないし、しょうがないから外で適当に食べようかな。コックを捻ってシャワーを止める。顔、体、髪の毛、と全部洗い終わって伸びをする。
んあーーーだっる。
「なに食べに行こっかな」
ジャンクなものが食べたい気分。ハンバーガーでも買いにいこうかなぁ。
ぺたぺたと風呂場から出て、バスタオルで体を拭いていくと、いつもよりむくんだ顔が鏡に写った。うっわー不細工に磨きかかってんじゃん、ヤバ。いや、でも今日はもう仕方ないよね。それを覚悟してお酒を浴びるように飲んだんだし。
「軽く化粧して……いざ出陣ー!」
スマホと財布だけ手に持ってふらふらと外に出る。真っ昼間の太陽がいやに眩しくて、目を細めながらマンションのエレベーターボタンを押す。機械的な音とともに目の前の扉が開いたので乗り込み、一階のボタンを押すとゆっくりと動き始めた。あー……今日はいいことあるといいなぁ。
チーンと軽快な音が聞こえて、俯きかけていた顔をあげる。ちょっとだけ私の心もわくわくした──ような気がしただけだった。
そう言えばもうすぐクリスマスだったんだっけ……。いつもより賑やかな装飾が施された街を見ては、ズンと気分が落ち込む。ずっと一緒にクリスマスパーティーしようって言ってたじゃん……バカ。
「……こんなところにペットショップあったっけ」