• テキストサイズ

【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第4章 私と場地さんと元カレと


「三人は長い付き合いなんですか?」
「はい。中学からの付き合いです」
「中学生の三人はどんな感じだったんですか?」
「あの頃は喧嘩ばかりしてました。俗に言う不良ってやつですね」
「ふーん、なんか意外。場地さんは想像つくけど」
「あはは」

 千冬さんはいろんな話をしてくれた。一虎さんと場地さんは小学生の頃からの知り合いで、千冬さんとは中学からの知り合いだってこと、場地さんと千冬さんの住んでいた団地が一緒だったこと、場地さんはやたら動物に好かれて一虎さんにはあまり寄っていかないこと──。
 千冬さんのしてくれる話の中心には毎回場地さんがいる。そして彼が「場地さん」と呼ぶたび、実年齢より幼い笑顔を見せるその姿がとても可愛らしいと思う。場地さんはとても人に恵まれているようだ。

「賑やかな学生時代だったんですね」
「そうですね。いろいろありました」
「私は至って普通だったなぁ。量産型女子ってやつです」
「本当ですか?」
「え、何で疑われてるの私」
「いや……だって回し蹴りする女性あんま見かけないですし」
「お願いだから本当にそれ忘れてください。あっ! 殴る? 殴ったら記憶消去できます?」
「人をブラウン管テレビみたいな扱いしないでください」

 そういうとこですよ。と言われたけど、私全然ワカンナイデス、ハイ。花の女子高生がだよ? そんな手当たり次第殴るような野蛮なことするわけないじゃないですか。吹っ切れたアラサーだからできる荒業ですよ、ホホホ。

「さて。俺、そろそろ仕事に戻りますね」
「あっ、ごめんなさい。長居しちゃって」
「いえいえ、さんと話せて楽しかったですよ」
「千冬さん一生推す」
「何かわかんないけど、ありがとうございます」

 そう言って動物たちがいるフロアへ続く扉を開けて、先に私を行かせてくれる千冬さんはやっぱり紳士。私、今年の運を今全て使い果たしている気がするわ。ん? 前も同じようなこと思った気がするような? ……まぁでも、もうすぐ今年も終わるし! 今使い果たせるならちょうどいいよね!
/ 175ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp