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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第3章 私と場地さんと飲み会と


「千冬はそんなちっせぇこと気にするようなやつじゃねーよ」
「……千冬さんがそうでも、私が気にするから」
「俺には気にしてねぇじゃん」
「千冬さんは千冬さん。場地さんは場地さんなのでそれとこれとは別かな」
「もちっと気にしろ」
「今さらもう無理っす」
「つーか逆に千冬がオマエのこと心配してたぞ」
「……へ?」
「あの女の人大丈夫ッスかね、俺が仕事戻ってからも泣いてましたか? つって」

 申し訳なさマックスなんですけど! っていうかあんなイケメンに心配してもらえるとか私、もう死ぬのかな? 今世の運全部使い果たしてるじゃん。あれか、これがモテ期ってやつか。多分違うな。

「今度」
「あ?」
「今度また顔出します、って千冬さんに伝えといて」
「おー。喜ぶと思うワ」
「場地さんも喜んでくれる?」
「ウレシーウレシー」
「棒読みすぎて草」

 そこからは他愛もない話をずっとしていた。兄弟はいるのかとか学生の頃の話、ペットショップにいるあの猫が可愛いだの、バイクの話に空手の話。共通の話題が多いからか話のネタはつきることなく、いつまでもいつまでも話題は弾んだ。
 空いたグラスの数がずいぶん増えた頃、店員さんの「ラストオーダーです」の声に時計を見ると、日付が変わろうとしていた。え!? もうこんな時間!? 驚いたのは私だけではないらしく、場地さんも「マジかー」なんて呟いている。

「ワリィ、遅い時間まで付き合わせちまったな」
「大丈夫! 明日休みだからー」
「なら一安心だな」
「場地さんは仕事?」
「そ、明日は遅番だから昼前から出勤」
「じゃあ明日遊びに行こうかな」
「ん。千冬に伝えとくワ」
「ありがと」
「どーいたしまして」

 ニッと笑ってお会計をしにいく場地さん──ってオイコラちょっと待て! 私が今日は払うって言ったのに! 伝票を場地さんの手から奪い取ろうと頑張るが、ひょいひょいと避けられ、挙げ句の果てには私が届かないように高く手を上げる始末。
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