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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第3章 私と場地さんと飲み会と


「ぷっはー!」
「うまそうに飲むな」
「美味しいですから!」
「ってか敬語止めね? ちゃんいくつだよ」
「ん? 二十九ですよ」
「ホラ、俺より年上じゃん」
「エ"!? 場地さんいくつですか!?」
「二十七」
「敬語使って損したわ」
「変わり身はえーな」

 別にいーけど。って言う場地さんは心底どうでもよさそうな顔をしているから、本当にどうでもいいんだろうな。っていうか場地さん、私より年下だったんだ……何か地味にショックかも。私と同じか、少し上だと勝手に思ってたし……何で二歳年下の彼からはこんなにも大人の色気が溢れ出ていて、私からは微塵も出てないの? マジで解せん。

「なーなー」
「ん? なぁに」
「俺もさ、今度シャドウ乗ってみてぇんだけど」
「乗って乗って! マジ最高だよ!」
「アメリカン乗ったことねぇわ」
「は? 人生の十割損してるね」
「全部じゃねぇか」
「そうとも言う」

 ケラケラと笑う私を見て、場地さんも可笑しそうにしている。「俺のゴキが日本一だけどなー」とか言っているのは聞き捨てならないけど。私のシャドウが日本一だし! なんて、店員さんが持ってきてくれた枝豆をむさぼりながら反論する。こんなくだらない話で盛り上がったのはいつぶりだろうか。

「あ! ツーリング行こ、ツーリング」
「おー! いいじゃん!」
「でしょ? バイクも乗り合いっこできるし! 絶対楽しい!」
「ちゃんいつ空いてる?」
「えっとね、二十七日なら──ってツーリングの話をしにきたんじゃないのよ! 今日は!」
「またジョーチョが不安定になってんぞ?」
「シャラップ! 黙れ場地さん! 私は……私はあ……」

 ううーと机に突っ伏した私を見て、場地さんは苦笑いしながらジンジャーエールを煽っている。机の上でぐでぐでとだらしなく顔を突っ伏しながら、今日あった出来事を場地さんに話す。仕事場の後輩に彼氏ができていたこと、それが私の元カレだったこと、どんな感情でこれから仕事に行ったらわからないこと、あとはこんな近場で彼女乗り換えるんじゃねーよってこと。
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