【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました
第17章 【番外編③】私と圭介とハジメテと
「苦しい」
「こんなんでへばンなよ?」
「言ってくれるじゃん。これで満足させてくれなかったら、みんなに言いふらすからね。圭介下手くそだーって」
「上等じゃねェか」
くくくと笑った圭介は私の額に口付けたあと、勢いよくシャツをソファの下へと脱ぎ捨てた。細身でよく引き締まった圭介の体は、私の視線を釘付けにするには十分すぎて……こくりと小さく唾を飲み込む。
そんな私の様子に気づかない振りをした圭介は私の膝の上に座ったままひとつずつ私の服のボタンを外しにかかる。前が少しはだけたところで私の胸元に顔を埋めた彼は私の肌へと器用に赤い華を散らしていく。私が圭介のものだっていう証、だと思ってもいいのかな。些細なことでこんなに嬉しくなる私ってめちゃくちゃチョロいのかな、もしかして。
「俺がどれだけちゃんのこと好きかわからせてやるよ」
▽▲▽
圭介の元カノに会うことがあったら尋ねたいことができた。
「大丈夫かよ」
「……だいじょばない」
「声ヤベェな」
こいつとの夜の営みが本当に淡白だったのかってことを。めちゃくちゃ尋ねたい。
「誰のせいだと……」
「俺だな」
「確信犯め」
「喜んでたくせによォ」
「うぐ」
「やだやだって言いながらぐっちょぐちょに濡──」
「それ以上言わないで!」
カスカスの声を振り絞って、品のないことを述べようとする圭介の言葉を遮る。決して広いとは言えないベッドに二人で横たわりながら、私は恥ずかしさから布団を自分の鼻近くまで引っ張りあげて顔を隠した。
そんな私の様子を見て可笑しそうに喉をならしている圭介。よほど体力に自信があるのか……何回かいたしたというのに、へろへろでベッドから一歩も動けない私と違ってずいぶんと余裕そうだ。ちょっとムカつく。
「何が淡白よ……信じられない……歴代彼女はどんだけ強者だったの……」
ぶつぶつと呪いの言葉でも呟くように言葉を溢す私に向かって、きょとん顔の彼は──。