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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第17章 【番外編③】私と圭介とハジメテと


「いつもこれぐらいだ」
「いくら幼馴染みでも、カノジョが他の男と仲良くしてたらいい気しねーワ」
「場地が言えた台詞じゃないだろ」
「ア?」
「金髪美女と一緒にいたってから聞いた」

 そう言ってあまり覇気のない視線を圭介に向けたイヌピーに対して「あれは──」と口を開くも、何故かドラケンくんに視線を向けた圭介は何かを飲み込むように口を閉じた。

「あれはそんなんじゃねェよ」
「なら俺ともそんなんじゃない。気にするな」
「ハ? イヌピーくん喧嘩売ってンの?」
「事実を言っただけだ」

 困った。実に困った空気感だ。
 そう思ってドラケンくんに視線を送るも、すーっと華麗に反らされて失敗に終わってしまった。ガッデム。
 いつだったかみたいに殴り合わないか心配になるが、さすがに外と言うこともありガンを飛ばすだけにしてくれる二人。いや、ガンを飛ばすだけ、っていうかガンを飛ばしすぎて周りは若干引いているけどね。美人が怒ると迫力ありすぎるのよ。

「圭介もイヌピーも止めなさいって。私、帰るから」

 はあ、と大きなため息をつきながら席を立つ。険悪な空気にしたくてここにいるわけじゃない、そう思って鞄からガサゴソとお目当ての財布を取り出して諭吉さんを一枚机の上に置く。付き合ってもらったのに、場の空気を悪くしてしまった私なりの贖罪だ。あとは二人で楽しく飲んでくれたまえ。
 ああ、もう。気分だだ下がり。

「今日はありがとね、二人とも。また飲みに行こ」
「おー。じゃあな、ちゃん。気をつけて帰れよ」
「またな」

 軽く手を振りながら見送ってくれる二人を背に、圭介と二人でお店を出る。
 さて……と。今からどうしたものか。逃げるように帰るのもありだけど、ありだけどー……そうはさせないとでも言うようにガッッッチリと手首を圭介に掴まれてしまったのよね。本当に困った。
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