【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました
第16章 【番外編②】私と圭介と金髪美女と
「さあ、さあ! 行くわよ! 私の口はビールを欲しがっているんだから!」
「しっかり掴まってろ」
「任せて」
「俺のあばら折るなよ」
「折らないから!」
ヴォンヴォンと音を立てながら発進したイヌピーの腰とシーシーバーをがっしり掴みながら、流れ行く景色をぼーっと眺めていると「なあ」と、いつもより大きな声でイヌピーに話しかけられたので「なにー?」とこれまた大きな声で返事。
「場地と何かあったのか」
「圭介とは何もないけど、何かはあった!」
「意味不明」
そんな話をしているとバイクはゆっくりと速度を落としてお目当ての居酒屋の前で停車した。ついでやってきたドラケンくんもバイクを停めてメットを外して軽く頭を振る。その度になびく髪の毛がこれまたセクシーで……何か負けた気がするのはなんでだろう。
「世も末だ」
「ん? どーしたちゃん」
「私には色気がないのに、何で私の周りの野郎どもはこんなに色気があるんだ。解せん」
「は色気より食い気だからな」
「はいはい、どうせ私は花より団子ですよーだ」
今日は潰れるまで飲むぞー! 二人の腕に腕を絡めながら足取り軽く居酒屋へと向かう私。
このときはまだ知らなかったんだ。今夜、これから、何が起こるかなんて。
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