• テキストサイズ

【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第16章 【番外編②】私と圭介と金髪美女と


「お前らもいい年してんだから、酒に飲まれて女に絡むなんてかっこつかねぇことしてんじゃねーぞ」
「あ、は、はい!」
「そうだそうだー。ぼっこぼこにすんぞ、こんちくしょー」
「はい、ちゃんシーな。シー」
「うっす」

 ドラケンくんの言うことは聞いた方がいいだろう、と私の本能が囁きかけたので舎弟がごとくおとなしく一歩引いて静かにする。酔っぱらいたちも思わぬ強キャラの登場に先ほどとはうって変わって静かにしていた。
 あーあ、人を見た目で判断するなんてよくないんだー。この中で一番優しくて一番まともなのドラケンくんなのにね。
 そそくさと退散していった酔っぱらいに中指を突き立てていると「おい」とあきれた様子のイヌピーに声をかけられたのでウィンクで返せば嫌そうに顔をしかめられた。いや、なんでよ。

「やるならサクッとやれ、サクッと」
「ねぇ、大丈夫? の一言もないわけ?」
「? だって大丈夫だろ?」
「そうだけどさあ」
「まぁまぁ。とりあえず無事でよかったってことで、飲みに行くか」
「だね! イヌピー後ろ乗っけて!」
「ん」

 メットを手渡してくれたイヌピーにお礼を言いつつ、彼のバイクへと跨がる。おっ酒お酒ーと陽気な私にあきれた様子の二人をよそに、ゴーゴーゴー! と腕を振り回す私に「落とすぞ」とイヌピーから聞き捨てならないお言葉をいただいた。
 いや、落とすぞって。不慮じゃなくて故意の事故じゃないですか。さすがのさんでもそれは許さんぞ?

「おりゃ!」
「何してんの?」
「落とされないようイヌピーの腰に巻き付いておこうかと思って」
「邪魔」
「死なばもろとも」
「ドラケンの後ろ乗せてもらうか?」
「それもあり!」
「場地にぶん殴られたくねぇから遠慮しとくわ」
「……圭介はこんなことじゃイラつかないよ」

 ぽそりと呟いた私の声は二人に届いていたらしく、困った様子で顔を見合わせたのが視界の端に映って少しだけ申し訳なくなってしまった。こんなんじゃだめだめ! 今日はパーッと憂晴らしさるって決めたんだから!
/ 175ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp