• テキストサイズ

【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第16章 【番外編②】私と圭介と金髪美女と


「この女!」
「女の子には優しく──ねッ!」
「ぅお!」

 突っ込んできた男を軽く避け、その勢いのまま地面へと突き飛ばす。このまんまじゃ警察呼ばなくても警察来ちゃいそう。いっそのこともう一気にケリをつけてしまおうか、そんなことを思った瞬間「おい」と聞き慣れた声に呼ばれ、ピタリと動きを止めてそちらを見ると不思議そうな顔をしたイヌピーが小首を傾げて立っていた。

「何してんだ?」
「見てわかんない? 酔っぱらいに絡まれたの」
「さっさとブッ潰せばいいだろ」
「今そうしようかと思ってたとこ」
「なんだあ? 彼氏か? 女みてーな顔だな」

 馬鹿にしたような様子の男たちは、イヌピーの顔を覗きこみながらニヤニヤと腹の立つ笑顔を見せている。そんな男の様子をイヌピーの冷めた視線が捉えた、かと思えばごく自然な動作で男へとツバを吐き捨て「死にてーの?」と一言。オウマイガー、私の幼馴染みが尖りすぎてる。知ってたけど。

「っの野郎!」
「やる?」
「落ち着けイヌピー、そこらへんにしとけ」

 落ち着いた声が頭の上から降ってきたので見上げれば、頭に龍を宿した長身の男が私たちを見下ろしていた。

「ドラケンくん!」
「よーちゃん。変なやつに絡まれてんな」
「そうなのよ。ちょっと今すぐ全員のすから待っててね」
「いやいやいや何腕捲りして、やる気満々なんだよ。あんたも落ち着け」

 腕捲りをしながら拳を握りしめれば「この幼馴染みら、やべぇな」とお褒めの言葉をいただきました。……褒められたんだよね?
 そんな私の思いも尻目に、先ほど私に絡んできた酔っぱらいたちはドラケンくんのいかちぃ顔を見て酔いも冷めてしまったのか、ブルーハワイのかき氷もびっくりなほど顔を青くするお兄さん方。
 その様子を見ると、さすがにちょっと可哀想な気持ちもあ芽生え──てこないな。ざまぁみろ! ははは!
/ 175ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp