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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第3章 私と場地さんと飲み会と


「せんぱぁい」
「菅野さん、どうしたの? 施術終わり?」

 場地さんと連絡をとるようになってから約一週間、今日はついに場地さんと飲みに行く日! お酒も食べ物も美味しい居酒屋かあるから、そこに連れていこうとウキウキで仕事をしていたら、後輩の菅野彩音(すがの あやね)に声をかけられた。
 ちなみに私の仕事はボディスタイリスト。お客さまの要望に応えて、アロマテラピーやリンパドレナージュ、小顔矯正なんかを行っているの。気持ち良さそうに眠ったり、施術後にスッキリとした顔で帰っていかれるお客さまを見るのが大好きなのよねえ。ちなみに男性客もオッケーです。さすがに部屋は男性専用にしてあるけれど。
 そんなこんなで私はお客さまの心も体もキレイにしている、素敵なレディってわけ。無駄に力も強いから、男性客にも人気なのよ? 無駄に力も強いから。

「彼氏できたんですよ!」
「へぇ、よかったわね」
「この人なんですけどぉ」

 スマホの画面を見せてきた菅野さん。その画面を見てヒュッと息が止まったような気がした。だって──そこにいたのは約一週間前に別れた私の彼氏、山中彰人(やまなか あきと)だったのだから。頬を寄せ合ってにこやかに笑い合う二人に、どうしようもない嫌悪感を覚える。
 彰人のやつ……こんな近場で新しい恋始めるんじゃないわよ。どうせなら、もっと私の関り合いがなさそうなところでしてくれたらいいのに!
 心の中でそうぼやくも、決して顔には出さないように気を付ける。笑顔、そう笑顔を貼り付けて。できる、私ならできるわ。

「そうなの、おめでとう」
「なんか付き合ってた彼女さんいたみたいなんですけど、その人のこと振ってまで私のところに来てくれたんですよ!」

 めっちゃ愛されてると思いません? きゃー! と頬に手を当てて喜ぶ菅野さんに「ソウダネー」と返事をするのが精一杯。その振られた彼女は今、あんたの目の前にいるんだよ! と言うわけにもいかず、乾いた笑いをこぼすので精一杯。
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