【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました
第2章 私と場地さんとパンツと
ピロンと私のスマホが音を立てたのと同時に、場地さんから可愛らしい猫ちゃんのスタンプが送られてくる。「よろしく」と愛嬌のある丸文字で書かれたソレと、目の前の場地さんとのギャップがスゴすぎて思わず噴き出して「おい!」と怒られたのは内緒のお話だ。
「空いてる日、連絡するわ」
「ん。連絡待ってますね」
「おー」
「あっ、そういやペヤング片付けないと」
「やっといてやるよ」
「え? 場地さん休憩中でしょ? 休憩しててくださいよ」
「それを言うならちゃんは休みだろ? 休み満喫しろよ」
ほれ、行った行った。と手で私を払うようにしてシンクにこぼれたペヤングを片付け始める場地さんは、口が悪いだけで随分と心根の優しい人みたいで──店長の千冬さんに敬語使われていたり、慕われる理由もなんとなくわかった気がする。
「……楽しみができたな」
スマホの画面に映し出された猫ちゃんのスタンプを見て、自然と頬が緩んだ。
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